ビジネス

2021.09.25 10:00

ゴーストレストランは「起業訓練」にも? シェアキッチン利用に見た『中食』の新風景

「BeChef」を利用してスイーツのキッチンを起業した笠原美咲氏と、夫でビストロ・シェフの友哉氏


「トライアルが自由、リスク回避ができる」が一番の魅力


それでは、今年7月から「BeChef(福岡)」を利用中の吉浦祐生氏の場合はどうだろう。
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吉浦氏は飲食店と卸売業者間の受発注のデジタル化サービスを提供する企業でSaas事業の営業に従事するかたわら、2021年に合同会社I.Gを創業、飲食事業部の初プロジェクトとしてBeChefを利用し、デリバリー専門の「韓国チキン&キンパ チョアチョア」を出店した。

同店は、吉浦氏の前職である株式会社リクルートライフスタイルで同僚だった元ホテル料理人と運営している。

吉浦氏はこう話す。
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合同会社I.G代表 吉浦祐生氏

「BeChefを選んだ理由は、備品、必要機材が用意されていて初期投資不要なこと、そして契約が1カ月更新なので、トライアル・チャレンジができる、リスク回避ができることでしたね。

とはいえ事業の立ち上げにまつわる苦労はもちろんあります。まずはお客様の認知を獲得することが一番難しかった。認知度アップのために、まずは小さめにですが、ウーバーイーツなどデリバリープラットフォーム内での広告を立ち上げたほか、インフルエンサーの方に直接連絡を取り、協力を仰ぎました。また、自分たちにできることから始めよう、を合言葉みたいにして、たとえば友だちに全員連絡する、など足元のまめな活動はしっかりやりました」


「韓国チキン&キンパ チョアチョア」のメニューから

副業でのローンチ。ハードルは「BeChef」で確実に下がった


「デリバリープラットフォームの業態は初めて使いましたが、登録や各種申請など細かな複数のタスクを、開店タイミングに合わせて同時進行でやらなくてはいけなくて。単純作業ではあったのですが、全体感をつかむまでは少しとまどいました。一度やったので、次からはサクサク行くのでしょうけれどね。

そんな煩雑な事務作業もあったなかで、BeChefを使えたことは本当によかったです。立地とか備品のこととか、いろいろ比較、調査する必要がなく、立ち上げまでの時間を短縮、かけるパワーも削減できた。とくに僕の場合、ゴーストレストラン事業は“副業”だったので、ローンチのハードルが確実に下がった。とてもありがたかったです」
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文=石井節子

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