ビジネス

2021.09.25

ゴーストレストランは「起業訓練」にも? シェアキッチン利用に見た『中食』の新風景

「BeChef」を利用してスイーツのキッチンを起業した笠原美咲氏と、夫でビストロ・シェフの友哉氏


「まだまだ立ち上げたばかり、もろもろ調整中の段階ですね。韓国のり巻に欠かせないごま油の風味もどれくらいの量であれば一番美味しく食べてもらえるのか、サイズ感もこれで本当に良いのか、など日々商品改良に時間を使っています。他にも小さいけれど重要な解決が必要なネタは尽きません。それらを日々クリアしながら、同時並行でお客様に喜んで頂けるような取り組み、例えば注文品にメッセージカードを入れて感謝の気持をお伝えするなど、自分がデリバリーを使ってみて、体験としてよかったことは取り入れています。

デリバリーキッチンは、イートインのサービスが不要な分、商品の力がすべて。広告コンサルティングの経験を生かしてお客様にリーチする努力を重ねながら、商品力ブラッシュアップのためにやれることは、すべてやっていきます」

ゴーストレストランで大事な「プラットフォーム内でのポジション」


「食領域、とくにデリバリー専門での起業希望者の方たちへの僕からのメッセージとしては、『得意料理で勝負する』のももちろんありだが、マーケティング的なアプローチもぜひ忘れないでほしい、ということでしょうか。

具体的には、プラットフォーム内でのポジションを上げるために、料理カテゴリー別の店舗数や価格帯を事前調査すること。価格レンジが高めで、店舗数も少ないカテゴリーに『当てにいく』ことも、ビジネスとして成功させていく上では当然、視野に入れるべきと思います。

当然ですがゴーストレストランは、実店舗がないため、やはり重要なのはいかにお客様に商品を知ってもらうか、一口目を食べてもらうか、だと思います。そのために欠かせないのは、デリバリープラットフォームととりこぼしのないように付き合うこと。今は出前館、ウーバーイーツ、DiDiフードなどいろいろあり、増えてもきているので、面を広げ多くの方に知ってもらう、という意味合いではなるべく多くの媒体を利用するのもいいかと思います」

文=石井節子

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