「Study for Worn Out」と呼ばれるこの作品は、椅子に座って頭を抱えている年配の男性を描いた鉛筆画で、ゴッホが1882年に描いた「Worn Out(疲れ果てて)」の習作とされている。
この作品は、オランダの首都アムステルダムにあるゴッホ美術館で初公開され、9月17日から一般公開される。
We have discovered a new work by Vincent van Gogh! Study for ‘Worn Out’ from 1882 is added to Van Gogh’s oeuvre. What do you think of this study? On display in the museum from tomorrow on. Find out more: https://t.co/LyjgpLkRtv pic.twitter.com/86fu9XRbeY
— Van Gogh Museum (@vangoghmuseum) September 16, 2021
美術館の声明によると、この作品はゴッホの作品に見られる「社会的弱者への共感」というテーマを反映しているという。この作品を所有する匿名のオーナーは、ゴッホ美術館に鑑定を依頼し、本物であることが確認された。同作は来年1月2日まで展示された後、オーナーに返還される。
ゴッホ美術館のエミリー・ゴーデンカー館長は声明で、「ゴッホとその同時代の作品を専門に扱う我々は、今回の発見をとても喜んでいる。新たな作品がゴッホのものと確認されるのは、非常に珍しいことだ」と述べている。
1853年生まれのゴッホは、1880年に絵を描き始め、10年間で数百点の絵画などを制作したが、晩年は精神的な問題に悩まさ1890年に37歳で自ら命を絶った。ゴッホが有名になったのは死後のことで、今では彼の作品は世界中で展示されている。
今年3月には、ゴッホの別の未公開作品がパリの「サザビーズ」のオークションに出品され、約1500万ドル(約17億円)で落札されていた。