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Mustasinur Rahman Alvi / Eyepix /Barcroft Media via Getty Images

米モデルナは15日、自社の新型コロナウイルス感染症ワクチンの大規模な臨床データを公表した。感染力の強いデルタ株を含む「懸念される変異株」に対しても重症化や死亡の予防で高い有効性が示される一方、ワクチン接種後に感染する「ブレークスルー感染」を防ぐ効果は時間がたつにつれて弱まるとみられることがわかった。

モデルナによると、カリフォルニア州にある医療機関カイザー・パーマネント・サザンカリフォルニアでの70万人あまり(ワクチンを2回接種した人と接種を受けていない人が半数ずつ)を対象とした調査で、モデルナ製ワクチンは入院の予防で96%、感染予防で87%の効果が確認された。接種済みの人の感染例は47%がデルタ株によるものだった。

また、9州の計3万3000人あまりを対象とした米疾病対策センター(CDC)による最近の調査でも、モデルナ製ワクチンは入院の予防で95%、応急治療や救急外来の予防でも92%の効果が示された。この調査の対象期間にはデルタ株が優勢な変異株になっていた。

一方で、モデルナがこの日発表した査読前の論文によると、ブレークスルー感染率は、接種を昨年受けた人よりも今年受けた人のほうが低かった。

ワクチンを少なくとも1回接種した2万6000人あまりを調べたところ、昨年7月から8月に接種した1万6747人ではブレークスルー感染は162例だったのに対して、昨年12月から今年3月に接種した1万1431人では88例だった。調査時期に関する調整を加えると、後者のほうがブレークスルー感染率は36%前後低い計算になるという。

モデルナのスティーブン・ホーグ社長は、今回のデータから推定すると、今年の秋から冬にかけて「免疫低下」によって感染者が60万人増える可能性があると指摘。うち一部は重症化したり死亡したりするとみられることから、モデルナとしては2回目の接種から半年後に追加の「ブースター接種」を推奨していると説明した。

これらのデータが重要なのは、3回目の接種の必要性をめぐって各国で議論になっているからだ。米国はすでに、免疫システムが弱まっている人を対象にブースター接種を開始。月内には規制当局の承認が出しだい、一般向けにも始めることを計画している。

他方、世界保健機関(WHO)の幹部を含む一部の専門家は新型コロナワクチンについて、重症化や死亡を防ぐ効果は落ちないようにみられるとして、ブースター接種が必要であることを示す証拠は今のところないとしている。

編集=江戸伸禎

コロナワクチンモデルナ

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