米ミシシッピ州、新型コロナ流行中に死産が倍に

Salih Zeki Fazlioglu/Anadolu Agency via Getty Images

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種率が特に低い州の一つである米ミシシッピ州の当局は、妊娠中の女性に新型コロナウイルスワクチンの接種を促している。デルタ株により新たな感染の波が生じる中で、ワクチンを接種していない同州の妊婦の間で死者や死産の数が増えていることが背景にある。

ミシシッピ州当局は記者会見で先週、同州の8人の女性がここ数週間で新型コロナウイルスにより死亡したことを発表。そのうち全員がワクチン未接種だった。

ワクチンを接種していない母親の間では、死産(妊娠20週を経過した後の胎児の子宮内での死)が72件あり、通常のほぼ倍だ。

ミシシッピ州保健局責任者のトーマス・ドブスは先日、これは「真の悲劇だ」と述べ、同州の住民、特に妊娠女性に対して「住民の中で最も感染リスクが高い人を守る」ために新型コロナウイルスのワクチンを受けるよう求めた。

米国では総人口の約54%が新型コロナウイルスのワクチン接種を完了しているのに対し、ミシシッピ州で接種が完了している人はわずか40%ほどだ。米疾病対策センター(CDC)によると、米国で新型コロナウイルスワクチンを接種した妊婦は25%未満だ。

医療専門家らによると、新型コロナウイルスは妊娠中の女性にとって特に危険で、子宮内の胎児を死に至らしめる可能性がある。

英医学誌ランセット・リージョナル・ヘルスに7月に発表され、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らが率いた大規模調査では、新型コロナウイルスに感染した妊婦は臨月に達する前に出産する可能性が高いことが分かっている。満期前の出産は、子どもの生涯にわたる健康問題と関連している。

CDCは先月、ワクチンが危険、あるいは流産の可能性を上げる証拠はないと主張し、妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種を推奨した。フロリダ大学が先日発表した調査からは、ワクチンを接種済みの母親は母乳を通し、抗体を乳児に受け継ぐことができると示唆されている。

翻訳・編集=出田静

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事