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TY Lim / Shutterstock.com

東南アジアの配車サービス大手の「グラブ(Grab)」を運営するグラブ・ホールディングスは9月14日、パンデミック関連の移動制限の見通しが不確実であることを理由に、通期の業績予想を下方修正した。同社はまた、米国のSPAC(特別目的買収会社)との400億ドル規模の取引が今年後半に完了する見通しだと述べた。

グラブは、2021年通期の調整後純売上高を4月に開示した23億ドルから引き下げ、21億ドルから22億ドルとした。シンガポールを拠点とする同社は今期のGMV(流通取引総額)を150億ドルから155億ドルと予想しており、以前の予想の167億ドルから引き下げた。

プレスリリースでグラブは、「当社はワクチンの接種率の力強いトレンドを観察しているが、パンデミック関連の東南アジアでの移動制限の不確実性が再び高まっていることに慎重な姿勢を崩していない」と述べ、同社がサービスを行ういくつかの国で、ロックダウンが延長されることを予想した。

ただし、業績予想の下方修正にもかかわらず、6月30日までの3カ月間の調整後純売上高は前年同期比92%増の5億5000万ドル、GMVも前年同期比62%増の39億ドルで、ともに過去最高を記録した。背景には、デリバリー部門とモビリティ部門が高い成長を示したことが挙げられる。

しかし、第2四半期の純損失は、前年同期の7億1800万ドルから8億1500万ドルに拡大した。手数料収入を中心とする売上高は前年同期比132%増の1億8000万ドルだった。

グラブの共同創業者でCEOのアンソニー・タンは、「当社は、すべてのコア分野で前年同期比で2桁、場合によっては3桁の成長を遂げ、好調な四半期を過ごした。今期の成長は、当社のスーパーアプリのビジネスモデルの回復力と、この地域の市場機会の大きさを証明するものだ」と述べた。

グラブはまた、特別買収目的会社のAltimeter Growth Corp.との合併を第4四半期中に完了する予定だと述べた。4月に合意されたこの買収により、グラブの評価額は約396億ドル(約4.3兆円)となり、SPACによる買収としては過去最大規模の取引となる見通しだ。合併後の新会社の株式は、ナスダック市場で取引される。

グラブは、2012年にアンソニー・タンとTan Hooi Lingによってタクシー予約アプリとして設立された。同社はその後、配車サービスやフードデリバリー、デジタル金融サービスなどに事業を拡大し、スーパーアプリに成長した。創業9年目の同社は現在、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの400以上の都市でサービスを提供している。

編集=上田裕資

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