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アイスフィンクを使った調理(写真提供:エレクター)

コロナ禍で飲食業界が大きな打撃を受けている昨今。外食・中食市場情報サービスを提供するエヌピーディー・ジャパンによれば、2021年5月の外食市場規模が2019年同月比で52.3%低下しているのに対し、中食は11.9%増加。中食(フードデリバリー)での成功が業界生き残りの鍵を握っている。デリバリーのみで飲食エリアを設けない、「ゴーストレストラン」への事業転換・進出も盛んだ。それに伴い、調理器も進化を遂げている。

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低コストで進出可能なゴーストレストラン


日本でもUber Eatsやフードパンダ、ウォルト、出前館といったシェアリングデリバリーの浸透により、ゴーストレストランに注目が高まっている。ニューヨークを発祥に広まったゴーストレストランは、飲食業界でネックとなる開業資金やコストを抑えたビジネスモデルが魅力。

まず、飲食業において重要項目となる立地のコストを低減できる。顧客はアプリ上で注文しデリバリーで配達、店舗に来店しない。そのため、駅の近くや大通り沿いなど一等地に店舗を構え、高い家賃を支払う必要がなくなるのだ。

また、緊急事態宣言などで店内飲食の時間制限がある場合、飲食エリアはコストにしかならない。飲食エリアが不要になれば、店舗の広さもキッチンのみ、最低限で良い。インテリアにこだわる必要はなく、内装費も抑えられる。人件費の削減にも繋がり、アルバイトのシフトや教育に頭を悩ませることもないなどメリットが多い。

ダクトの工事不要、移動式「無煙調理ワゴン」


一方で、ゴーストレストラン開店時に課題となるのが、ダクト工事。臭いや煙の問題はもちろん、withコロナ時代には換気の観点からも飲食店ではダクトが必須となる。しかしダクト工事は大幅なコストがかかる。都内で元々事務所だった場所や雑居ビルの空中階での開業では、ダクト工事が許可されないことも多い。

そこでゴーストレストランに導入したい機器が、ダクト工事不要を実現してくれる無煙調理ワゴンの「アイスフィンク」。調理機器とダクト設備を兼ねた調理ワゴンで、独自のエアー・クリーニング・システムにより、調理の際に発生する「油煙」「蒸気」「臭い」をその場で吸いこみ浄化する。

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アイスフィンク本体 排気設備の整わない場所でも調理が可能だ(写真提供:エレクター)

「アイスフィンク」を販売するエレクターの松岡氏は、「ダクト工事には1000万円ほど掛かる場合がありますが、アイスフィンクは導入コストが約350~400万円です。ダクトだけではなく、調理機器も兼ねているので、かなり経済的に設備を整えることができます」とコスト面での利点も強調する。条件によってはレンタルプランも利用可能だ。キャスター付きの移動式機器のため、移転コストも軽減できる。

コロナ禍以前は主に大手ホテルやレストランのブッフェサービス・宴会場、結婚式場、デパ地下、大手企業の社員食堂などの注文が中心だったが、近年ゴーストキッチンからの需要が増えていると言う。

文=齋藤優里花 編集=石井節子

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