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昼夜で他ジャンル展開も可能


アイスフィンクにはグリドル・IH調理器・フライヤーなど6種類の専用カセット調理機があり、本体には2~3個のカセット調理機を載せることができる。和洋中・エスニックなど多ジャンルの料理をこれ一台で調理可能なため、1つの店舗で別ジャンルの料理を提供することも可能だ。

「カセット調理機を載せかえることで、省スペースで多くの種類・ジャンルの調理に対応できます。ゴーストキッチンは来店を前提としていない業態なので、一つの店舗で複数のブランド展開をするというビジネスが可能。アイスフィンクを導入いただければ、マルチブランド展開により複数の収益モデルを有する、というゴーストキッチン運営の利点を支えることができると考えています」と松岡氏は語る。

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アイスフィンクを使った調理(写真提供:エレクター)

実際に無煙調理ワゴン「アイスフィンク」を導入しているYO-PLUSでは、チゲ鍋やルーロー飯、九条葱料理専門店など複数ブランドを手掛けている。こういった機器を利用することで、昼と夜で需要の高い異なるジャンルを展開するなど、より柔軟に顧客ニーズを捉えた飲食業態が生まれていくのだろう。

EC販売で質の高い料理を実現する、最速液体凍結機「リ・セル」


飲食業界で活発化しているのはゴーストレストランだけではない。今後はEC販売がレッドオーシャンになっていくことが予想される。コロナ禍を通して、「お取り寄せグルメ」というキーワードも定着してきた。しかしEC販売は顧客に届くまでにタイムラグがあるため、食品の質を保つことが最重要課題となってくる。そこで注目されるのが、「冷凍技術」だ。

コロナウイルスワクチンの冷凍保管など、医療現場における必要性などもあり、最近の冷凍機器の技術革新はめざましいが、飲食業界でも新製品が開発された。

これまで大手機器メーカー製品の設計・製造を受託してきたステンレス工房プロが「自社技術を結集して開発(尾川昭社長)」し、自社ブランドからとしては初の発売を決めた「超高速凍結機 RECELL リ・セル」だ。

超低温の液体に食品を漬け込むことで瞬間凍結するもので、「細胞(CELL)を作り立ての状態に戻す」という意味を込めたというその名の通り、食品の細胞を傷つけずに急速凍結、解凍時にも細胞内の栄養や水分を損なわない。

ステンレス工房プロの尾川昭社長は、「吸熱と排熱に特許技術を導入することで、従来の液冷タイプと比べ、熱交換効率を4倍と高めることに成功、凍結ムラや解凍後の再現性、1時間当たりの生産性、運用コスト低減が実現できた」と話す。


低温の液体に食品を漬け込むことで瞬間凍結。「超高速凍結機 RECELL リ・セル」(写真提供:ステンレス工房プロ)

京都、福岡、渋谷でシェアキッチン「BeChef」(イートインスペースのないデリバリー特化のレストラン、「ゴーストキッチン」や「ゴーストレストラン」を支援)を運営する戸邊将文氏も、「私も機材見学会、試食会に参加しましたが、こんにゃくや豆腐など、一度凍らせて解凍すると『すが立つ』はずの食材が、まさに生のままの食感で驚きました」と話す。

また、釣り上げたばかりの魚を凍らせるとなんと、死後硬直が『解凍後』に始まるとさえいう。新鮮な魚介類を凍結すれば、鮮度を保ったまま遠方からでも購入できるというわけだ。弁当のセット凍結や少量の惣菜を凍結することもできるので、1人前から注文したいEC事業にぴったりだ。

調理器を工夫することで、場所や時間にとらわれず、低コストで飲食ビジネスを展開する。コロナ禍の打撃回避だけでなく、飲食業界の新規参入ハードルを下げることにも寄与しそうだ。

文=齋藤優里花 編集=石井節子

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