時代を読む、ストーリーのあるホテル No.11「白井屋ホテル」

ヘリテージタワー内「the LOUNGE 」はまさに「街のリビング」。圧巻の吹き抜けのお蔭でとても開放感があり、その空間をレアンドロ・エルリッヒのインスタレーション「ライティング・パイプ」が走る。(photo by Shinya Kigure)


朝食には「和朝食膳」を選んでみた。一品一品に手をかけた素朴で美味しい朝食は、ラウンジシェフの星直樹の作る体に優しい朝ご飯。これで元気な1日が始まった。


「the LOUNGE」で人気のメニューのひとつ、「海老フライ、オリジナルタルタルソース、マッシュポテト」(photo by Kenta Yoshizawa)

「白井屋ホテル」のアートについては、他の記事がほとんどアートに徹して書いている。ここではむしろ、6年以上の期間をかけて造られたという「白井屋ホテル」のプロジェクトの魅力を綴った。そのプロジェクトはまだ始まりであり、道半ばと聞く。わずか25室のホテルだが、今、エネルギーが満ち溢れ前橋の求心力となりつつある。

現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之が設立した新素材研究所設計による、催事にも使える「真茶亭(まっちゃてい)」、「ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ」、そして、本格的なフィンランドサウナ「白井屋ザ・ベーカリー」(11月初旬)など、1泊では使いきれない施設が整い、まだまだ成長中だ。



馬場川通りに面したホテルのもう一方のファサード。グリーンタワー馬場川通り沿いには、道路に面してニューオープン「ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ」、小高い丘の中腹には三角屋根のフィンランドサウナがある


加えて、榛名山麓の農場で「土に触れ食す」という、収穫を楽しむ農業体験も発売。ファミリーにも充実の1泊2日体験は話題になりそうだ。商店街にも少しずつ魅力的な店やコミュニティスペースなどを誕生させている「白井屋ホテル」。前橋がアートと食文化の新たなデスティネーションとして認知度が上がり、地域全体に活力が湧いてくるのも時間の問題のような気がする。


白井屋ホテル / SHIROIYA HOTEL
群馬県前橋市本町2-2-15
https://www.shiroiya.com/

文=せきねきょうこ

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