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2021.09.15 16:00

小糸製作所が出資のLiDARメーカー「Cepton」が上場へ、GMが大型発注


GMはレベル3の自動運転に採用か


CeptonのLiDARは、公道で行ったデモで200メートル先の車両を検出した。ルミナーやAeyeが目に優しい1550nmのレーザーを用いているのに対し、Ceptonはより低コストな905nmのレーザーを採用している。この波長は目に害を及ぼす恐れがあるため、出力に上限が定められている。

Ceptonの製品の検出距離の上限は、200メートルとされている。同社の「Vista P60」は、検出距離が200メートルで反射率は30%で、「Vista X90」も同じ検出距離で反射率は10%となっている。これに対し、Aeyeの「4Sight」の最大検出距離は1000メートルだ。また、アルゴAIの新型LiDARの反射率は250メートルで3%、400メートルで10%となっている。Ceptonの905nmのLiDARは、高速道路での自動運転を実現する自動運転レベル4の車両には採用されない可能性が高い。

GMは、自動緊急ブレーキや歩行者検知などのADAS(先進運転支援システム)の機能強化や、現在開発中の自動運転支援システム「Ultra Cruise」の実現にCepton製LiDARを用いる模様だ。

GMはUltra Cruiseの詳細を明らかにしていないが、自動運転のレベル3(L3)に相当するものになると考えられている。L3システムは、運転手が常に前方を見ていなくても、他の車両を安全な間隔を保ちつつ追尾することを可能にする。ホンダやメルセデスベンツのL3システムも、カメラやレーダーによるセンシング機能を補強するためにLiDARを用いている。

SECに提出された書類(S-4)によると、CeptonとGMとの協議は2019年に始まり、当初は4車種が対象だったが、その後9車種に拡大したという。GMとの取り組みは、2023年から2027年までに生産される車両が対象だが、発注書はまだ発行されておらず、GMが発注を延期するかキャンセルする可能性がある。
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編集=上田裕資

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