山火事に伴う汚染物質 毎年世界で数十万人が死亡

David McNew/Getty Images


米国では、大気汚染を懸念すべきエリアは、山火事が猛威を振るう地域だけではない。「山火事の煙は、米国の発生地以外の地域や他の国に広がることもある」とグオはフォーブスに話し、「自分の健康を守るための対策をとる」よう促した。

2021年にはきわめて乾燥した天候条件が続いており、米国や欧州の広い地域で山火事が猛威を振るっている。生態系によっては、山火事が重要な自然的要素となっているケースがあるものの、山火事の規模や深刻さは極端に拡大している。米国の各地を含めた多くの地域では、近年は記録破りのシーズンが続いている。

人間活動に起因する気候変動により、山火事の起きやすい乾燥した高温の条件が生じる可能性が高まっていることから、事態は悪化の一途をたどると専門家は予測している。こうした状況は、危険で極端な天候条件が発生する可能性を高める、人間に起因する気候変動のパターンにあてはまるものだ。

大気中の有害物質が人間の心身に深刻な影響を与えることを示す研究は続々と増えており、ランセット誌に掲載された今回の研究もそれに連なるものだ。自殺、うつ病、統合失調症の発生頻度や深刻度の上昇については、大気汚染とのつながりが示唆されている。汚染への長期的な曝露は、とりわけ男性において、認知能力の低下と結びついている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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