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2008年、ANAは年間300万円で飛行機乗り放題の「プレミアムパス」を発行した。振り返れば、日本の航空サブスクの原点はここにあったと言えるが、一般人にはあまりに高価で程遠い話だった。

それが今、ANAとJALが実証実験という形で、数万円台のサブスクを実現させている。

先陣を切ったのはANA。20年1月、月額制で全国の居住スペースを提供するライフプラットフォーム「ADDress」を展開するアドレスと共同の実証実験を開始した。

ADDressは4.4万円〜の月額払いで、全国のリノベーションされた民家などに住み放題というサービス。ANAとの提携では、3万円を追加することで、羽田発の国内便9路線(指定便)を往復で月2回利用できる。つまり片道料金は7500円という値段だ。これまでに2度のアップデートが行われ、利用可能空港は20まで増えた。

次いで参入が期待されたのは、ピーチ・アビエーション。21年2月から、国内線の1カ月乗り放題を開始するとの報道もあったが実現には至っていない。新型コロナの感染拡大と重なる時期だったことも影響してか「あらゆる可能性を検討し、実施のタイミングを見計らっている」と広報担当者は話す。

JALは21年7月に、サブスクの実証実験に乗り出した。提携相手は定額制宿泊サービス「HafH(ハフ)」を展開するKabuK Styleで、ANAも一時期手を組み、サービスを提供していた会社だ。1往復につき1宿泊が出来るパッケージで、1泊利用のフライトから泊数上限の無いプレミアムプラスまで5つのプランがあり、住むというより旅に近い利用ができる。

提供する航空券は、羽田空港発の指定10空港で使うことができ、3往復3万6000円。ANAより1500円安い、片道6000円という金額設定だ。

経済合理性はある


現状について、ANAの商品開発を担うANA Xの野島祐樹氏は「次世代の新たな旅行の形を検討していた中で、特に地域活性化に効果が高いと始めたのがこのサブスクです。実験を始めて1年半経ち、課題が出そろいました。総計で150名の利用者がおり、利用者動向分析やサブスクビジネスの持続可能性を検証しています」と話す。

分析を進める中では「航空サブスクはビジネスとして成り立つ経済合理性がある」と結論付けられるという。

文=北島幸司 編集=露原直人

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