一方JALは、コロナ禍で定着した働き方など、新たなニーズを取り込んでいく狙いだ。
「リモートワークや2拠点居住、滞在型観光(1カ所に宿泊し、体験レジャーなどを楽しむこと)といった新たなニーズが顕在化しています。今回の商品は、航空と宿泊の異業種交流という形で、観光へ訪れる人を地域が継続的に獲得できるようにしたものです。多くのお客様が利用する朝夕の時間帯も含め、空席さえあれば利用できます」と旅客販売推進部の中村圭氏は話す。
2社と提携 「手応え感じている」
またANAとJAL、両社と提携した「ハフ」を展開するKabuK Styleの大瀬良亮社長は「ANAさんとは単発でしたが、JALさんとは中・長期的なパートナーとして提携しました。8月1日以降2回に分けて売り出した500人分は即日完売で、手応えを感じています」という。
「ハフは海外展開も多いので、コロナ禍が明けたら国際線でも協力できます」と、海外展開も視野に入れる。また、飛行機に限らず他の交通機関との協業も見据えており、2020年7月にはJR西日本と提携している。
航空サブスクに関わる複数の担当者に話を聞いてきたが、感触は悪くない。地方の活性化にも利用者にとってもメリットは大きく見えるが、課題は、一過性のブームとして終わらせることなく、「持続性のある定額課金をどう構築するか」だ。
北島幸司(きたじまこうじ)◎エアライン勤務歴を活かし、Webメディアや雑誌などで航空や旅に関する記事を執筆する航空ジャーナリスト。YouTubeチャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も公開中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。
この著者の過去記事
・バイオ燃料で日本牽引 ユーグレナが民間機フライトを実現(2021年7月13日公開)
・超音速飛行再び ユナイテッド航空5年後に実現へ (2021年6月28日公開)
・海外事情から見る、可能性を秘めた日本LCCの未来 (2021年6月4日公開)