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ジェームズ・マードック(Photo by Bryan Bedder/Getty Images for National Geographic)

2018年4月、数千人のグーグルの社員たちが「ドローンの軍事利用をやめろ」と同社のCEOに対して抗議の声をあげた。これは米国防総省の軍事プロジェクト「プロジェクト・メイヴン(Project Maven)」に同社がAI(人工知能)テクノロジーを提供していることが発覚したためだった。

グーグルはその後、「テクノロジー企業が、戦争ビジネスに巻き込まれてはならない」という社員の主張を受け入れ、このプロジェクトから撤退したが、契約記録を分析した結果、同社がその後も間接的に、このプロジェクトとの関係を維持していることが発覚した。

大手テック企業の動向を監視する「Tech Inquiry」の創設者で、元グーグルのAI研究者であるジャック・ポールソン(Jack Poulson)によると、グーグルの親会社アルファベットの投資部門の「GV(旧グーグル・ベンチャーズ)」や、グーグルの元会長エリック・シュミットの投資会社の出資先のスタートアップが、メイヴンの業務を受託している。

さらに、ピーター・ティールや、メディア王のルパート・マードックの息子のジェームズ・マードックが役員を務める企業もメイヴンと関わりを持っている。

ポールソンが契約書を分析した結果、これらの企業は国防総省のパートナー企業であるECS Federalと下請け契約を結び、メイヴンの業務を受託している模様だ。

エリック・シュミットが出資する企業


そのうちの1社にあげられるスタートアップが、エリック・シュミットが設立した投資会社Innovation Endeavoursの出資先の「リベリオン・ディフェンス(Rebellion Defense)」だ。シュミットとマードックらは、ワシントンD.C.を拠点とする同社の取締役を務めている。

リベリオンは、「防衛を目的としたAIプロダクトの設計」を行い、企業価値は2億2000万ドルとされている。共同設立者でCEOのクリス・リンチは、米国防総省の「ディフェンス・デジタル・サービス」の創設ディレクターで、100億ドルの契約をめぐってアマゾンとマイクロソフトが争ったことで知られる「JEDI(ジュダイ)クラウド」のプロジェクトを立ち上げていた。

契約記録によると、同社は国防総省に対し、「Captured Enemy Materials」と呼ばれるシステムをAIに対応させるための技術サポートを提供しており、「軍事コミュニティ内のユーザーの意思決定を改善する業務」を請け負っている。

編集=上田裕資

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