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6. 韓国の現代グループとの提携

ヤンデックスは、2019年3月に韓国の現代グループ傘下の自動車部品メーカー「現代モービス(Hyundai Mobis)」と提携し、翌年6月に100台の現代の「ソナタ」に自動運転ソリューションを組み込んだ。モルガン・スタンレーは、現代グループが世界3位の自動車メーカーで、モービスがOEM市場で世界6位だと述べており、ヤンデックスが、ここで得た知見を将来的に他社に提供する可能性があると指摘した。



7. デリバリーロボットを米国の250の大学に導入

ヤンデックスは、独自のデリバリーロボットのYandex.Roverを開発し、自社のフードデリバリーサービスに投入した。そして、目覚ましい成果と言えるのが、2021年7月に米国のフードデリバリー大手「グラブハブ(GrubHub)」と提携したことで、両社は年内に米国の250の大学キャンパスで、このロボットを用いたデリバリーを実施しようとしている。


フードデリバリーのヤンデックス・イーツで活用されているヤンデックス・ローバー。時速5〜8kmで移動し、歩道、歩行者エリア、横断歩道を自律的に走行する。

課題は資金力


モルガン・スタンレーは以上のような観点でヤンデックスSDGの実力を高く評価しているが、この分野の競合が膨大な資金力を背景にイノベーションを加速させている中で、同社が現在のポジションを維持するためには、R&D費用を増額し、フリートの規模を拡大する必要があると指摘した。その上で、外部からの資金調達、もしくは独占的なパートナーシップの獲得が有力な選択肢になり得ると述べている。

ヤンデックスに関しては、2019年11月の経営体制の変更で、「プーチン政権による事実上の国家管理を受け入れた」と日本経済新聞が報じていたが、この件についてコメントを求めたところ同社の広報部は、「当社は米国のナスダックやモスクワ証券取引所に上場する公開企業であり、一部の報道は当社の企業再編と公益ファンドの設立について誤解している可能性がある」と回答した。

ヤンデックスは、重要な案件で大きな決定権を持つ公益ファンドを設立し、拒否権を行使できる「黄金株」を保有させているが、同社は、このファンドが政府機関ではなく、会社の利益と社会の利益の適切なバランスをとる必要性から設立されたものだと説明した。同ファンドは、1人の株主による10%以上の株式保有や知的財産の譲渡、外国政府との提携などの明確に定義された事項について発言権を持つが、その他の事項については権限を持たないと同社は回答した。

取材・文=上田裕資

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