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現代の「ソナタ」に自動運転ソリューションを組み込んだ第4世代自動運転車

投資銀行モルガン・スタンレーの最新レポートで、ロシアのインターネット大手ヤンデックス(Yandex)の自動運転テクノロジー部門「ヤンデックスSDG」が急激に存在感を増していることが示された。

ヤンデックスは8月31日、ウーバーと2018年に設立したフードデリバリーと自動運転の合弁会社を解消し、約10億ドルでウーバーの持ち分を買い取ると発表したが、その背景には、同社が近年、世界の自動運転テクノロジー分野で急激に力を増していることがあげられる。

西側のメディアでの知名度が今ひとつのヤンデックスは、自動運転プロジェクトの開始からわずか4年で、累計800万マイル(約1280万km)という、アルファベット傘下のウェイモに次ぐ走行距離を達成し、自社でLiDARを製造し、韓国の現代グループに技術提供を行い、フードデリバリーロボットを全米の250の大学に導入しようとしている。

モルガン・スタンレーが8月2日に開示した投資家向けレポートによると、現状で評価額が50億ドル以上の自動運転関連のスタートアップには、ウェイモ、GMのクルーズ、Didi、Nuro、オーロラ、アルゴAI、TuSimpleなどがあげられ、中でも際立ってバリエーションが高いウェイモとクルーズの2社の評価額は300億ドルを上回っている。

同社はこれらの企業を、Execution(実行)とStrategy(戦略)の2つの観点から分析した結果、ウェイモとクルーズに加えアルゴAI(フォードとVWが出資)と中国のバイドゥの4社を、自動運転車市場のリーダーにあげている。

そして、これらの4社を追撃する形で、存在感を増しているのがヤンデックスSDGで、モルガン・スタンレーはその評価額を70億ドルと試算した。


モルガン・スタンレーの開示資料で、ヤンデックスは上位4社を追撃するContender(勝つ見込みが高い競争相手)に位置づけられている。(この図はモルガン・スタンレーが開示した資料に一部補足を加え編集部で作成したもの)。

人口1億4400万人のロシアで検索エンジン市場の6割を握り「ロシア版グーグル」と呼ばれるヤンデックスは、2011年に配車サービス部門のヤンデックス・タクシーを立ち上げ、その配下で2017年に自動運転プロジェクトを始動した。

ヤンデックス・タクシーは、イスラエルやフィンランド、アフリカのガーナを含む17カ国に進出して黒字化を果たし、2018年にウーバーのロシア事業を買収してフードデリバリー事業を含むジョイント・ベンチャーのMLU B.V.を立ち上げたが、そこから2020年9月に自動運転部門をスピンオフさせて生まれたのがヤンデックスSDGだ(SDGはSelf Driving Groupの略)。

取材・文=上田裕資

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