欧州クルマ展不参加の日本に対して、ドイツ勢はEVオンパレード

BMW i Vision Circular。RE:USEがテーマとなっている。


ショーの参加者にサプライズを与えたのは、フォルクスワーゲン。発表されるまで誰も知らなかった電気クロスオーバーの「ID.Life」が、それだ。ID3のすぐ下のカテゴリーに位置する同車は、2025年に発売されるそうだ。

フォルクスワーゲンの写真
サプライズとして登場したEVのVW「ID.Life」

ポルシェは、ミッションRコンセプトというレースカーを発表した。次世代718ケイマンのEVレースカーになると言われている同車は、1072psまで発揮する2モーターのマシン。0-100はなんと2.5秒で、最高速は290km/h。ID.LifeもSDGsをテーマにしているので、マテリアルのほとんどは再利用ができる。

ポルシェの写真
ポルシェのEVレースカー「ミッションR」

韓国からは、ヒュンダイ「IONIQ5」と言うロボタクシーが発表された。これも、レベル4の自動運転機能がついているけど、もちろんそれらを許可する道路でしか走れないし、「自動運転モードでもドライバーが運転席に座っていなければならない」と、ヒュンダイはいう。また、ヒュンダイの兄弟社であるキアは、IONIQ5の部品も採用するEV6 GT-LINEと言う320psほどのEVのSUVを展示した。

ORAの写真
中国のグレートウォール社のORA CAT

ところで、中国のグレートウォール社が発表したのは、サブブランドORA初のEVコンセプト「CAT」だった。来年から英国などで発売開始となるCATはどうもポルシェ的なデザインの匂いがするけど、全体的なルックスはレトロ。63kWhのバッテリーで380kmの航続距離を誇る。

この記事で触れた車両はほんの一部だけだったかもしれないけど、これだけでもパッとわかるのは、欧州のメーカーはEVの普及や開発に莫大な開発費を費やしているし、EVが買いやすい未来を築こうとしている。昨年、初のEVである「e」を出したばかりのホンダ、今年初EV「MX-30」を出したマツダ、年内に出る予定のスバル「ソルテラ」、2022年に11年ぶりにEVを出す日産を考えると、日本は今まで信頼性やコストパフォーマンスなどをリードしてきたけど、EVの発展と普及を考えると、特に欧州に遅れているとしか言いようがない。

トヨタも、まだ初の大量生産のEVは出していないけれど、ハイブリッド、PHEV、EV、水素を使う燃料電池車という電動車の賢いミックス、というか、組み合わせは合理的だと思う。僕もトヨタと同様に近未来、水素はとても可能性があると思うし、今まで水素のポテンシャルはあまり上手にメディアや一般人に説明されてこなかった。このままでは、日本の業界は欧州に置いて行かれてしまうかと思うと、多少の不安は否めない。

文=ピーターライオン

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