ビジネス

2021.09.12

元マイクロソフト社員の結婚式サイト「Joy」が急成長する理由

(c) Joy

ソフトウェアエンジニアとして働くためにインドからアメリカに移住したヴィシャル・ジョシ(Vishal Joshi)は、まさか自分がウェディング業界で起業することになるとは思ってもみなかったという。マイクロソフトに勤務していた彼は、そこで後に会社の共同設立者となるマイケル・バッハに出会った。

バッハの妹のエイミーは、結婚式の計画を立てていたが、式のウェブサイトを制作するための便利なアプリやサイトがほとんどないことに不満を感じていた。彼女の話を聞いたバッハとジョシは、自分たちでそのサービスを作ろうと思い立った。

彼らは、シンプルなワークフローのソフトウェアを作り、それはすぐに役立った。エイミーの結婚式の直後、彼らが出社すると、同僚たちから「カスタムメイドのウェディングサイトを作ってもらえないか」と頼まれた。

マイクロソフトが出資


サーバーがアクセス過多でクラッシュし始めたとき、彼らは何か大きなことが起こったと感じた。2人は2016年に仕事を辞め、「Joy」のビジネスにフルタイムで専念することにした。

「マイクロソフトは当初、私たちが辞めないように説得しようとした」とジョシは語る。「そして、『もし辞めるのであれば投資したい』と言われ、会社を設立する前に、最初の出資を受けた」という。それ以来、Joyはマーケティング費用をかけずに、100カ国以上で何十万組もの結婚式に関わってきた。

Joyは、競争の激しいウェディング業界で、細部にまでこだわったプラットフォームを提供している点で際立っているとジョシは話す。同社のプラットフォームで作成できるサイトは、招待客リストの管理から、宿泊の手配、ギフトの受付や発送などをワンストップで行うことが可能で、送迎のためのウーバーやリフトとの連携機能も備えている。

サンフランシスコを拠点とするJoyは9月1日、Valor Siren Venturesが主導し、俳優のアシュトン・カッチャーのSound Venturesが参加したシリーズAで2000万ドルを調達した。同社の累計調達額は4650万ドル(約51億円)に及んでいる。
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編集=上田裕資

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