週末の米興行収入、コロナ禍前を上回る 『シャン・チー』が押し上げ

『シャン・チー』特別上映会に参加したオークワフィナ、シム・リウ、メンガー・チャン、ファラ・チャン(8月30日)(Photo by Michael Loccisano/Getty Images for Disney)

米国ではレイバー・デーを控えた先週末(2〜5日)、映画館の入場者数がコロナ禍前の2019年の同時期よりも多くなった。3日公開の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の観客動員が好調だった。コロナの影響で極度の不振に陥っていた興行収入もここへきて復調してきている。

映画館大手のAMCシアターズによると、全米で運営する380館あまりのいずれかでこの期間に映画を鑑賞した人は200万人を超え、レイバー・デー前の週末の入場者数としては2013年の記録を上回り過去最多となった。週末の観客動員数で2019年の水準を超えたのもコロナ禍になってから初めてだという。

全米で323館を運営する同業大手のシネマークも7日、この4日間の入場者数は合計で200万人近くにのぼり、2019年のレイバー・デー前の週末よりも多かったとフォーブスに明らかにした。

両社はこうした数字について、『シャン・チー』の公開による効果が大きかったと説明している。「デッドライン」誌によると、アジア系のヒーローが主人公のこの映画は先週末の4日間の興行収入が9400万ドル(約104億円)に達し、レイバー・デーの6日の興収も月曜日の成績としてはコロナ禍以降で最高を記録した。

先週末の興行収入が予想以上に好調だったことは、映画館チェーンにとって回復に向けた新たな一歩になった。ニュースサイトの「ザ・ラップ」によれば、AMCは今年第1四半期の最終損益が5億6700万ドル(約625億円)の赤字となり、シネマークも同期に2億880万ドル(約230億円)の赤字を計上していた。第2四半期は両社ともやや持ち直してきている。

編集=江戸伸禎

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