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アストラゼネカも採用


レイクハウスは、データウェアハウス(分析用に処理された構造化データ)とデータレイク(ローデータのリポジトリ)の要素を組み合わせたプラットフォームだ。データブリックスの7人の創業者たちは、カルフォルニア州立大学バークレー校で予測分析を行うデータ処理ツール「Spark」を開発した研究者だ。SparkはデータブリックスのAIソフトウェアの中核を成し、クラウド上でデータを分析して企業向けに予測や知見の発掘を行う。石油大手のシェルは、データブリックスのソフトウェアを使って石油掘削装置の故障を予知している。また、アストラゼネカは、科学者が新薬開発の意思決定を効率化するためにデータブリックスを導入した。

ゴディシの発言からは、データブリックスがレイクハウスという分野を確立したことに対する自負が伺える。彼は、クラウド大手のアマゾンをはじめ、FivetranやDremioのような急成長中のスタートアップがレイクハウスという言葉を用いるようになったことをその証拠として挙げる。

データブリックスのARR(年間経常収益)は、7カ月前に実施した前回ラウンド時に4億2500万ドルだったが、現在では6億ドルを超えるという。データブリックスは年率75%で成長しており、欧州事業の売上規模は前年から2倍以上に拡大したという。

競合はスノーフレーク


データブリックスが年商100億ドルという目標を達成するためには、レイクハウスベンダーの中で首位の座を守ると同時に、スノーフレーク(Snowflake)が提供するクラウドデータウェアハウスなど代替のデータソリューションとの競争に勝たなければならない。

「データウェアハウスという分野は大きいが、将来的にはレイクハウスに置き換わり、今から10年後には存在しなくなるだろう」とゴディシは話す。一方、スノーフレークは対象市場を拡大するため、独自のAIツールの機能を強化している。

ゴディシは、シスコやデルが提供するオンプレミスのデータセンターについては、脅威に感じていないという。今後は、クラウド費用の向上に伴ってオンプレミス製品に移行する企業が増える可能性があるものの、脱クラウドのトレンドはそれほど大きくならないと彼は考えている。

データブリックスはスノーフレークと同様に全てのクラウドプラットフォームに対応しており、企業はクラウドベンダーを柔軟に変更できるため、このような動きが活性化すれば同社に有利に働く。同社は早くからAIとクラウドに力を入れ、パンデミックによって企業のデジタルトランスフォーメーションが加速する中で、大きな成功を収めた。

「今後はあらゆることが自動化され、機械学習が多用されるようになる」とゴディシは話す。データブリックスの顧客と同様に、投資家も同社の成長性に熱い視線を送っている。ゴディシによると、評価額を引き上げることは可能だったが、出資者と長く協力関係を続けるよう、彼らのリターンを増やすために今回は380億ドルにとどめたという。

編集=上田裕資

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