シネマの女は最後に微笑む

4人がそれぞれ選ぶ道は(c) 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

今月に入って、秋篠宮家の眞子内親王と小室圭さんが年内に結婚すると報じられた。理由は、小室さんのアメリカでの経済基盤が整う見通しがついたことと、眞子さまの強い意志によるものと見られている。婚約や結婚の儀は行わず、1億3000万円の一時金も辞退する考えだという報道も出ている。

巷では、小室さんの母親の金銭トラブルが収束していないことなどについて批判も多い一方、眞子さまの粘り強さと決断を賞賛する声も聞かれる。

たしかに、大学の同級生と交際し、婚約から4年も周囲の反対に耐え続け、受けられる援助も受けずに新生活をスタート……という、迷いのない一直線のケースは皇族でなくてもいまどき珍しいかもしれない。

迷いがないのと迷いに迷うのと、どちらが良いとは一概に言えないけれども、皇族でも一般人でも30歳前後というのは何かと決断を迫られがちな年代ではあるだろう。

『ワタシが私を見つけるまで』(クリスチャン・ディッター監督、2016年、原題は『How to Be Single』)は、さまざまな独身女性の試行錯誤を描いた良作である。たくさんの登場人物の混線したり捻れたりのエピソードが、無駄なく巧みに積み上げられている。

SATCのようなヒロインたち


ヒロインはアリス(ダコタ・ジョンソン)。長年の恋人ジョシュとの関係に依存していた彼女が、自分を見つめ直すためニューヨークに出るところからドラマは始まる。とりあえず転がり込んだ先は、産婦人科の医師をしている姉のメグ(レスリー・マン)。アリスとは違って、男性には期待しない自己完結した独立独歩タイプだ。

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法律事務所の事務補佐の仕事にありついたアリスが職場で親しくなるのは、毎晩クラブに繰り出し、日替わりで男性と付き合う快楽主義者のロビン(レベル・ウィルソン)。そしてロビンと訪れたあるバーで、自らデートサイトをつくって結婚相手探しに余念のないルーシー(アリソン・ブリー)とも知り合いに。

この4人の女性たちを見ていると、往年の人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

恋愛依存の気のあるアリスはキャリー、自由奔放なロビンはサマンサ、医師でクールなメグはミランダ、結婚願望の強いルーシーはシャーロットに近い。更に作中にはメグの「セックス・アンド・ザ・シティはくだらないドラマよ」という台詞まであって、クスッとさせる。

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SATCのような派手さは控えめで、4人が仲良く集まるわけでもないが、ここで積み重なっていくエピソードには、2010年代のシングルのリアリティが込められていると言えるかもしれない。

文=大野 左紀子

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