ビジネス

2021.09.09

人気ユーチューバーが、LGBTQフレンドリーな「不動産屋」を立ち上げた理由

(左から)KATATIのMARIA、REYAN、U、pooh. / KATATI提供


得意のYouTubeで潜在顧客にアプローチ


──YouTubeチャンネル「かたち▽ハウス」を通した“発信”にも力を入れていますね。

U:実は、私たちと同じようなLGBTQをターゲットとした不動産仲介サービスは、すでにいくつかあるのですが、なかなか広がっていない現状があります。やはり今の世の中に合わせた拡散ツールを使っていかないと、これから上京してくる若者など、いろんな方に届きません。だからこそ、YouTubeやSNSを使った発信は重要だと思っています。

それに、私たちのような不動産仲介業者は、お客さまとの接点が「お部屋探し」のタイミングだけなので、とても少ないんです。そのタイミングで想起していただくためにも、“潜在顧客”の方々と普段から接点を持つことを重視しています。

REYAN:なので、私たちカップルでやっている「エルビアンTV」とは別に、「KATATI」のスタッフ4人で運営するチャンネル「かたち▽ハウス」を立ち上げました。視聴者の方に、「この人たちと友達になりたい」「相談してみたい」と思っていただけるようなチャンネルづくりを目指しています。とはいえ、まだコンテンツの軸が定まっていないところはあるのですが……(笑)。



U
:半年ほど運用してみて、お部屋探しに関する話題をメインでやっても、結局はターゲットの規模が小さいかな、と感じましたね。

まず「LGBTQの"自分らしく生きている"当事者たちが集まってYouTubeをやっているんだ」から入っていただき、「楽しそうだな、自分らしくイキイキしてるな」とコンテンツを楽しんでいただいて。最後に「あ、この人たちって不動産屋なんだ!」と、後付けで不動産屋がくるような形をイメージしています。

現在、週1本ペースで更新していて、登録者数は5200人。目標は、年内に1万人突破です。

REYAN
:あとは、私たちがインフルエンサーになることで、LGBTQの方だけでなく不動産業界の方にも「世の中にはたくさんのLGBTQ当事者がいる」ということを知っていただくきっかけになれば、と考えています。

日本中どの不動産屋に行っても、セクシュアリティをオープンにしやすかったり、対応がスムーズだったりするような環境をつくれたらと思っています。

U:「KATATI」のような窓口が増えるといいですね。

文=田中友梨 写真=山田大輔

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