アルト・アディジェ さまざまなイタリア産白ワイン
一方で、そのイタリア産ピノ・グリージョはあるいはオーストリアとスイスの国境沿いのアルト・アディジェ地域のものかもしれない。同地域の特徴は、世界でも特に美しいとされるドロミーティ山地だ。
ワイン教育家のモーガン・ペリーは、「この地域のワインに粗悪なものを見つけるのは難しい」と述べている。アルト・アディジェの目玉はピノ・グリージョだけではない。同地域には、ピノ・ビアンコ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどの酸味が効いた熟成白ワインがある。
高地で太陽光が豊富な生育環境により、アルト・アディジェのぶどうは糖度が高い。それでいて、ワインはさっぱりして張りがあるのが特徴だ。
同地域のでワインを製造するエレナ・バルヒ・ワイナリーの5代目経営者カロリーネ・バルヒは、「私たちはつまらない大量生産ワインを作るためここにいるのではない」と語っている。
試してみるべきワインは、カンティーナ・ヴァッレ・イサルコ・ケルナー2020だ。新鮮でバランスが取れた香り高いワインで、アルコール度数が14%だとは夢にも思わないだろう。
サン・トーバン ブルゴーニュ地方の希望の星
ブルゴーニュワインを好きになるのに無理強いが必要なことはほとんどないが、どのワインを購入するかを決断しかねるときはある。誰もが、価格の割に価値が高く、それほど注目されていないワインを求めているようだ。
それにぴったりなのがサン・トーバンだ。フランス・ブルゴーニュ地方のコート・ド・ボーヌ、モンラッシェ付近のこの村では、30のプルミエ・クリュが生産されている。
仏ワイン誌ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス(La Revue du vin de France)の「今年のワイン醸造者賞」を獲得した初の女性、ナディーヌ・ギュブランは、サン・トーバンの白ワインはバランスが良いと指摘している。
「明るさと美しいエネルギーを秘めたこれらのワインは、非常に爽やかで自然な酸味を備えている」とギュブラン。ブルゴーニュの一部の積極的な若者らは同村に精力を投入していて、批評家やワイン愛好家らが注目し始めている。
試してみるべきワインは、シャトー・ド・サン・トーバン/プルミエ・クリュ/クロ・デュ・シャトー2019だ。ギュブランは、2019年は「素晴らしいワイン醸造年」で、白ワインには「熟成の素質が大いにある」と語っている。