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Forbes JAPAN Web編集部


結婚できないから「すぐに別れる」?


──同性どうしの「二人入居」を認めていない物件が多いのはなぜでしょうか。

U:日本では同性どうしの結婚が認められていない、というの大きいですね。男女のカップルで物件を探している場合、オーナーさんから「だいたい婚約相当ですか」と聞かれたりするんです。つまり、婚約者でないとすぐに別れる可能性があると思われてしまう、ということです。

というのも、オーナーさんは、物件が空けば埋めるために広告を出すなど費用がかかることになります。住んでもらわないと収入にならないですから。なので、結婚とか婚約のように強い結びつきがないと、簡単に出ていってしまうのではと考えるわけですね。

特に同性どうしであれば、お付き合いの先に「結婚」がないので、軽く見られがち。根本的な考え方から変えるには、かなり時間がかかりそうです。

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(上段左から時計回りに)「KATATI」のREYAN、MARIA、pooh.、U /「KATATI」提供

──日本では、一部自治体で同性カップルのパートナーシップ制度があります。パートナーシップを結んでいる場合、対応は変わりますか?

U:それが有利になる場合もあります。ただ、残念ながらあまり浸透していないので、交渉次第ですね。オーナーさんに説明をして、「パートナーシップ制度は婚約相当ですよ」ということを理解していただけた場合、審査がスムーズになったり、理解がされやすくなる場合もあります。けれどほとんどの方は、パートナーシップ以前にLGBTQを知らなかったりするので……。

管理会社やオーナーに交渉も


──「KATATI」では、どのような流れでお部屋探しができるのでしょうか。

REYAN:今は新型コロナの影響があるので、まずウェブサイトから予約いただき、Zoomでヒアリングを行っています。そして、その内容に基づいて物件をご提案させていただき、内見のタイミングで、初めてリアルでお会いする形になります。

現在、自社物件と協賛企業さまの管理物件ははすベてLGBTQフレンドリーなのですが、業界全体ではまだまだ理解がないため、お客さまがご希望された物件がLGBTQフレンドリーでない場合もあります。その場合は、私たちスタッフが管理会社やオーナーさんに交渉して、可能であればご契約いただく形になります。

U:私たちも、できるだけ選択肢が増えるように、多くの物件を抱えている管理会社を中心に「LGBTQフレンドリー物件にしませんか」とアプローチしています。ここ数年でLGBTQという言葉がよく取り上げられるようにはなってきましたが、不動産の現場においては、まだまだですね。「世の中にいることは知っているけれど、うちでは無理です」と。遠回しに「差別になるからお客さまには伝えないで」と話す人もいます。

やはり管理会社はオーナーさんから管理を委託されていますから、オーナーさんのご意向次第というところも大きいですね。オーナーさんは高齢の方が多く、LGBTQが理解できない、受け入れられない、という方もいらっしゃいます。管理会社の方がそもそも偏見を持っている場合もありますが、管理会社がダイバーシティを推進していても、その先にハードルがあるんです。

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 Getty Images

──皆さんが交渉したことで、少しずつ「LGBTQフレンドリー物件」は増えていますか?

U:そうですね……少しずつは増えていますが、まだまだ課題は多いです。半年間交渉をしてきたなかでは、「今まではLGBTQの当事者を担当したことがなかったけれど、あなたたちみたいな業者さんが交渉してくださったおかげで初めて触れあった」という管理会社の方やオーナーさんもいらっしゃいました。

私たちも、「この管理会社さんは、以前に交渉したのでLGBTQを理解してくれているな」という風に、実績を積み上げて少しずつ攻略していくという感じですね。

文=田中友梨 写真=山田大輔

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