米国のブースターショット計画について、分かっていること

Emily Elconin/Getty Images

米政府は8月中旬、ファイザー/ビオンテック製、またはモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人について、ブースターショット(追加接種)を9月20日から開始すると発表した。

米紙ニューヨーク・タイムズはこれについて3日、米食品医薬品局(FDA)と米疾病対策センター(CDC)がいまだ承認していないことから、開始時期が遅れる可能性があると伝えた。だが、ホワイトハウスによると、少なくともファイザーについては、予定どおりに開始できるもようだ。

また、バイデン政権の首席医療顧問、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、モデルナのワクチンについてはFDAが追加データの提出を求めているところだが、「最も遅れた場合でも数週間後には」開始されるとの見通しを示している。

ファウチ所長によると、ブースターショットの対象は、FDAとCDCの承認の内容に従って決定され、実施時期は2回の接種が完了してから8カ月後になるという。

2回の接種を完了したワクチンと、ブースターショットとして受けるワクチンのメーカーを「組み合わせる」こと(例えば、最初の2回にモデルナ、ブースターでファイザーを接種など)の可否については、現在も研究が進められているところだ。ただ、ファウチ所長によれば、政府は今のところ、同じメーカーのワクチンとすることを「推奨する」方針だ。

また、ホワイトハウスはCNNに対し、政府はブースターショットを行うのに十分な供給量を確保し、すでに「配布計画」を立てていると説明。接種を開始する準備は整っており、実施が承認されれば「恐らくそれと同日中に」、接種を始めることができるとしている。

一方、ファイザーとモデルナの(新型コロナウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を投与する)mRNAワクチンとは異なり、(増殖しない)アデノウイルスを使い(新型コロナウイルスの遺伝情報を投与する)ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンについても、ブースターショットは必要になる可能性が高いとみられている。
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編集=木内涼子

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