今後注意すべきポイントは、子どものいない高齢者のためのケアとリソースの拡大だ。子どものいない中高年が高齢化するにつれ、ケアを提供し、その費用を負担するための政府の介入が必要になってくる。とりわけ課題になるのが、550万人いる「子どものいない中高年障がい者」だと研究チームは指摘し、このテーマで政策決定者に正確な情報を提供するにはさらなる調査が必要だと付け加えた。
国勢調査局は数カ月前から、米国人のライフスタイルの変化をいくつか報告してきており、「少子化」はそうした変化のひとつだ。2020年の国勢調査によると、現在の米国はかつてないほど多様かつ多くの人種・民族から構成されており、都市居住傾向が強くなっている。
子どものいない米国人に関する報告書は、2018年の「収入及びプログラム参加調査(SIPP)」に基づいている。この調査は、参加する米国人世帯に対し、社会的・人口統計学的特性や所得などのさまざまなトピックについて、4年間にわたって繰り返し聞き取りを実施する追跡調査だ。政府による援助の分配方法に関する政策決定の場で頻繁に利用されている。
なお、この報告書では、親であるかどうかの基準は生物学的な子の有無のみであり、養子や連れ子は考慮されていない。