子どものいない中高年が米国で増加、女性と男性に意外な格差も

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米国では、「子どものいない中高年」がますます一般化しつつあるようだ。米国国勢調査局がこの種のものとしては初めて発表した報告書によると、55歳以上の米国人のうち1500万人以上に子どもがおらず、その割合は今後も増加が予想されている。

55歳以上の米国人のうち、約6人に1人に子どもがいないことが、2018年の調査結果に基づく報告書「Childless Older Americans : 2018」で明らかになった。

55~64歳の成人に限ると、約20%に子どもがいない。この割合は、75歳以上の「子どものいない米国人」の割合である11%と比べて2倍近くだ。子どもをもたない中高年が、米国人のかなりの割合を占めるようになりつつある、と国勢調査局は述べている。

調査によると、子どものいない中高年は、子どものいる中高年に比べてやや高学歴で、38%が学士号以上の最終学歴をもっていた(子どものいる中高年では30%)。一方で、貧困生活を送っている人の割合も高く、12.4%が貧困ラインを下回る生活をしていた(同世代の子どものいる女性では10%、子どものいる男性では7.5%)。

また、子どものいない中高年では、一人暮らしをしている割合が、そうでない人の2倍にのぼる。このことは、高齢になってから社会的支援やケアを受ける際の課題になる可能性がある、と研究者は指摘している。ただし、子どものいない中高年は、ボランティア活動やグループ活動に参加する傾向がより強いことも、今回の調査で判明した。

この研究では、結婚率の低下が、子をもたない人の増加の要因であることが示された。

この調査では、子どもをもたないことに付随する経験は、男女でまったく異なることが示唆された。「子どものいない中高年女性は、人生の後半で、同じ立場である男性よりも優位に立っているようだ」と、研究チームは述べている。

調査によると、55歳以上の米国人全体の個人純資産の中央値が13万3500ドルだったのに対し、子どものいない女性では17万3800ドルと、集団間比較でもっとも高い値を示した。子どものいない中高年女性の純資産の中央値は、子どものいる中高年男性の値である16万1200ドルをも上回った。また、子どものいない女性は、子どものいない男性よりも健康状態がよいと答える傾向にあった。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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