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2021.09.06 16:00

暗号通貨取引所FTXが米国で「デリバティブ取引」提供開始へ

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29歳にして100億ドルを超える資産を保有するサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)が香港で設立した暗号資産取引所FTX Internationalの米国子会社の「FTX.US」が、親会社と同じくデリバティブ取引の提供を開始する。

設立から1年のFTX.US は8月31日、米商品先物取引委員会(CFTC)が管轄するデリバティブ取引所である「LedgerX LLC」の親会社を買収すると発表した。買収価額は公表されていない。

デリバティブとは、先物のように原資産の価格を基準に価値が決まる金融商品だ。現在、LedgerXはビットコインとイーサを対象に、先物やオプション、スワップを提供している。

買収手続きは、早ければ10月に完了する予定で、実現すれば、FTX.USは業界大手のコインベースやクラーケン、ジェミニと差別化を図り、米国の顧客に対して独自のプロダクトを提供することが可能になる。

「我々は、他社にはない独自のサービスを提供したいと考えており、デリバティブ市場への参入は自然な成り行きだった。FTX Internationalは、これまで2年間取引所を運営しており、デリバティブ取引の規模は月間5000億ドルに達するが、深刻な清算処理は見られず、ダウンタイムもほとんど発生していない。デリバティブは、我々の得意分野だと言える」とFTX.USのCEOのBrett Harrisonは述べている。

米国の仮想通貨スポット市場は競争が激化しているが、FTX.USはこの分野で急成長を遂げた。Harrisonは、2021年1月に1日当たりのスポット取引量が平均100万ドルに達したと述べていたが、CoinGeckoのデータによると、直近ではその金額は3億5000万ドル(約380億円)以上に増えている。それでもコインベース(46億ドル)やクラーケン(12億ドル)、バイナンスUS(10億ドル)に比べるとまだ規模は小さい。

バイナンスUSは世界最大の仮想通貨取引所バイナンスの米国子会社だ。これら以外にも、ペイパルやスクエア、ロビンフッドによる仮想通貨の取引量は急拡大している。
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編集=上田裕資

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