新型iPhoneが「供給不足」の可能性、重要部品の工場閉鎖で

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今年の新型iPhoneには多くの新機能が盛り込まれる見通しだが、発売にあたっては生産上の課題も指摘されてきた。そして、その問題はさらに悪化している模様だ。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先日、iPhoneの重要な部品を製造する2つのメーカーが深刻な生産上の問題を抱えており、発売からわずか数週間でiPhone 13と呼ばれる見通しの新端末の生産に問題が生じる可能性があると報道した。

WSJによると、その2つのメーカーというのは村田製作所と太陽誘電のことだ。この2社は、デバイス内部の電気の流れを制御するための微小なセラミック部品である積層セラミックコンデンサ(MLCC)を製造している。

一般的なスマートフォンには1000個以上のMLCCが使用されているが、両社はともにパンデミックの影響を受けており、太陽誘電は従業員の40%を欠いての操業を余儀なくされている。また、世界の供給量の40%を握る世界最大のMLCCメーカーである村田製作所は現在、主要工場の一つを閉鎖中という。

このニュースは、アップルが以前に予測した危機がさらに悪化したことを示している。7月に、アップルのCFOのルカ・マエストリは、「9月からの四半期の供給上の制約は、6月期に経験したものよりも大きくなると予想する。この制約は主にiPhoneとiPadに影響を与えることになる」と述べていた。

そして、その課題はますます大きくなっている。アップルにとって最大のチップサプライヤーであるTSMCは先日、価格の大幅な引き上げを発表し、アナリストはiPhone 13の価格が直前になって引き上げられる可能性を指摘した。アップルは新型iPhoneの発表を9月14日に行う見通しで、ティム・クックが本当に値上げに踏み切るかどうかは、もう間もなく明らかになりそうだ。

複数のリーク情報によると、iPhone 13シリーズには、さらにサイズを増した大型のリアカメラや、より大きなバッテリー、次世代のWi-Fiが搭載され、ノッチの面積は縮小され充電スピードも早くなるという。また、Proモデルの購入者は、アップグレードされた5G通信や、120Hz ProMotionディスプレイ、2倍のストレージなどの恩恵を受けることになる。

しかし、チップ不足によって、iPhone 13の初期ロットを入手できなかったアップルファンは、しばらく待たされることになる可能性がある。アップグレードを検討中の人は、早めの行動を心がけたほうがいいかもしれない。

編集=上田裕資

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