ビジネス

2021.09.07

ユニファが目指す、「子ども起点のよりよい社会」のインフラ

細村拓也(写真左)、土岐泰之(中央)、星直人(右)

保育・育児関連の社会課題解決を目指し、IoTやAIを活用した保育支援デバイス、サービス提供を行うユニファ。保育、子育て領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する同社は、代表取締役CEO土岐泰之が2013年5月に設立。

乳幼児の午睡(お昼寝)を見守る医療機器サービス、子どもの写真・動画をオンライン購入できるサービス、登降園管理や電子連絡帳、帳票管理を揃えたサービス、保育士の複雑なシフトを自動調整・作成、勤怠管理を行うサービスなどを展開する「ルクミー」シリーズを運営。各種サービスを統合し、子どもの安全、保護者の安心、保育業務の負担軽減を実現する次世代型保育施設「スマート保育園・幼稚園・こども園」を展開する。

取締役CFOの星直人が2019年に参画。現在、全国30カ所以上の地方自治体で同サービスの導入が行われ、各種サービスの導入数は1万件を超える。

そのユニファに、現在進行中のシリーズDラウンドで投資をしたのが、細村拓也がプリンシパルを務めるセールスフォース・ベンチャーズだ。


細村:投資の話をしたのは、2020年秋。土岐さんは、私が新卒で入社した住友商事の同期。起業され、経歴的にも、投資先候補としても、気になる存在でした。ユニファさんは、これからSaaS事業を強化する段階。私も20年2月に現職場に入社してから半年程度したタイミングで、社内の人間から「話をしたい」と聞き、ぜひにと。その後、何回もオンラインで打ち合わせをしました。

:今回の資金調達で動き始めたタイミングで、ぜひ「セールスフォース・ベンチャーズに出資してもらいたい」と。前回のラウンドで、細村さんが参画される前のチームに出資のお願いをしたようなのですが、ご縁がなく、あらためてお願いした次第です。

細村:投資した理由は、3つ。1つは経営チーム。土岐さん、星さんはもちろん、COOの大川さん、CTOの赤沼さんとも話をしてとても優秀だと感じたこと。2つめは、保育施設向けの事業領域で「ナンバー1」企業になる可能性。3つめは、社会貢献性。

セールスフォース・ドットコムのバリューのひとつに「平等」があります。セールスフォース・ベンチャーズには、地域別ファンドの他に、社会貢献性の高いソフトウェア企業に投資をするインパクト投資ファンドもある。女性の社会進出、少子高齢化など日本の社会課題を考慮した際に、ユニファは欠かせない事業だと。今回は日本ファンドからの投資ですが、その視点も含まれています。
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文=山本智之 写真=平岩享

この記事は 「Forbes JAPAN No.083 2021年7月号(2021/5/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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