港区民はフードデリバリーに月12万円使う。中食コストに見る東京23区の風景

Oscar Wong/Getty Images

港区のフードデリバリー利用者は、月間平均で約12万円をフードデリバリーに費やしているという興味深い調査結果が発表された。

コロナ禍で外出自粛が求められるなか、フードデリバリーをはじめとする「中食」が需要を拡大させている。セゾンカード・UCカードを発行しているクレディセゾンが会員約1600万人のショッピングカード利用分(2019年1月1日~20年12月31日)の決済データをもとに行った調査では、2019年と比較して2020年にもっとも利用率が上昇したカテゴリーは「フードデリバリーサービス」だった。

なかでも、東京23区で平均利用金額がトップだったのが港区である。同じ東京都でも、区によって消費動向や生活スタイルはさまざまだ。今回は、中食コストという視点から東京23区の風景を眺めてみたい。

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フードデリバリー平均利用金額が高いのは港区、千代田区、渋谷区


クレディセゾンが行った「2020年のおうち時間に利用が増えたカテゴリ」に関する調査によると、前年と比べて利用率がもっとも増えたのは「フードデリバリーサービス」だった。セゾンカード利用者におけるフードデリバリーサービス利用者の割合は、2019年が2.15%だったのに対して2020年は4.08%と約1.9倍になっている。

その他、もっとも利用率の高いカテゴリは「動画配信サービス」で5.48%、「据え置き型ゲーム」「電子書籍サービス」などもそれぞれ利用率を高めた。一方で通勤などのすきま時間で楽しめる「アプリゲーム」の利用率が下がるなど、コロナ禍にともなう生活スタイルの変化が消費動向にも影響を与えていることが調査結果からうかがえる。

しかし、こうした消費動向は居住している区域や年代によっても異なるため一概に論じることは難しい。クレディセゾンは、利用率が伸びたフードデリバリーサービスについて、さらに東京23区の区ごとの平均利用金額を調査している。

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クレディセゾン 公式㏋より

上記の図は、フードデリバリーサービスにかける区ごとの平均利用金額のボリュームを円の大きさで示したものだ。円が大きいほど、平均利用金額が高いことを表している。調査の結果、フードデリバリーサービスにかける平均利用額が大きいトップ3は、1. 港区、2. 千代田区、3. 渋谷区であった。
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文=アステル 編集=石井節子

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