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2021.10.02

外資系企業社員、国際ビジネスの担い手に聞いた「私の英語体得法」

Getty Images


世界をまたにかける翻訳出版プロデューサーは


日本文学を海外に「輸出」する活動を行う翻訳出版プロデューサーで俳優であり、国内ばかりかハリウッドでの俳優経験もある近谷浩二氏。

白石一文氏、田口ランディ氏らの海外出版の代理人を務めるほか、綿矢りさ氏、中村文則氏、角田光代氏らを海外の文学イベントに推薦・随行するなど、旺盛に日本文学を海外に広めてきた。また、ハリウッドでは俳優のジョン・ローンらを輩出した「イースト・ウエスト・プレイヤーズ」に所属していたほか、2015年の映画「STAR SAND -星砂物語-」(監督・ロジャー・パルバース)で「憲兵」役を好演するなど、現役の俳優でもある。

英語での「演技」のプロでもあり、国際ビジネスで英語を駆使するそんな近谷氏だが、どうやって「英語による表現力」を研磨しているのか。以下2点を挙げてもらった。

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近谷浩二氏

1. 毎朝1ページ、洋書を音読アウトプット

「私は洋書を毎朝最低でも1ページ音読してレコーダーに録音し、すぐに再生してチェックしています。アクセントの位置は正しいか、リズムやイントネーションはどうかなど、細かくチェックしながら聴くんです。

これはハリウッドで俳優をしていた頃からほぼ1日も欠かさず行っていることです。何がいいかというと、自分の発音やセリフの言い回しの欠点に否応なく向き合わざるを得ないのと、それを矯正したい気持ちからです」

2. TED TALKなどからのインプット

「TED TALKなどの音源から積極的にインプットを行うことも、空き時間がある時、普段から無意識に行っていますね。

これを1年続けるだけでも相当な効果があります。それこそ脳と舌と全身に刻み込まれていく感覚です。

英語が共通言語になる会議で発言する際に、音読再生と音源からのインプットで鍛錬したアクセントやリズムで相手の注意を引き、印象づけられることは、ビジネスの実戦の場でよく感じますね」

懇意なビジネスパートナーも多い「ベテラン版権エージェント」は


世界中の書籍原稿や映画を日本に輸入、あるいは日本の書籍を海外輸出する「版権エージェント」という仕事がある。服部航平氏は大学卒業後すぐに版権の世界に飛び込み、以降、世界のコンテンツ権利者たちと日本の版元をつなぐ仕事を20年以上続けてきたベテランエージェントである。

服部氏は、世界中の出版社やエージェントが集まる「ブックフェア」に出張することも多い。その大きな国際舞台に立てば、会期中朝から晩まで、英語で彼らと商談を重ねる。すべてのアポイントメントが終わった夜の時間、欧米のエージェントと食事に行き、個人的に親しくなって、特別な原稿を優先的に見せてもらうこともある。

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travelview/Shutterstock.com

服部氏は以下3点をアドバイスしてくれた。
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文=石井節子

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