現在iOS版のNetflixアプリでは新規にユーザーアカウントを登録作成できないが、新しいガイドラインによりこのあたりの使い勝手が良くなる可能性もある
今回の合意は日本の公取委とアップルとの間に交わされたものだが、アップルはApp Storeのガイドラインのアップデートを2022年に向けて世界中で順次展開するという。
またアプリの審査規定については、今後はデベロッパの予見可能性を高めるため、アップルはガイドラインの明確化や審査の透明性の確保に努めていく。日本国内ではその取組状況について3年間にわたり、年に1度公取委に報告することも提案された。
デベロッパとユーザー、それぞれのメリットは
アップルは今回の施策について、アプリ外でのデジタル商品やコンテンツの販売に注力するデベロッパに向けて柔軟性なソリューションを提供するものであると説く。一方では「リーダー」アプリは開発者にとって数あるサービス提供のための選択肢のひとつに過ぎないともしている。
新しいガイドラインの施行後も、デベロッパはIAPの規定に準じたアプリ内課金システムを持つサービスに、リーダーアプリのみが許される外部リンクへの誘導機能を併設することは禁じられる。デベロッパは同じサービスをアプリ内課金と、リーダーアプリのそれぞれに分けて開発・提供するか、または既存のアプリをリーダーアプリに変更することが必要となる。システムを切り換えるため、それなりの開発負担がデベロッパにかかることにもなりそうだ。
iPhoneのユーザーは、今後デベロッパの開発環境が整うことにより、安価に楽しめるサービスがますます充実することを期待するばかりだ。一方でサービスを利用する際の安全性は引き続き確保できるのだろうか。アップルはユーザーの保護とApp Storeの信頼性を守るため、外部ウェブサイトへのリンクを活用するデベロッパに対してサポートの手を差し伸べる考えを表明している。NetflixやSpotifyなど、国内にも多くのユーザーが集うサービスが来年以降、ユーザーにとってどのように使いやすくなるのか注目したい。
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