日本の公取委による独禁法調査が終了へ
アップルはApp Storeにおいける安全でシームレスなユーザー体験を確保するために、独自のガイドラインを設けている。中にはデジタルサービスおよびサブスクリプションの販売は独自のIAPを利用することを義務付ける項目もあり、これに従ってデベロッパはシステムの利用手数料を負担している。
この規定がデベロッパの事業活動を制限している疑いがあったことから、日本の公正取引委員会はApp Storeのガイドラインについて2016年から独占禁止法の規定に基づく調査を続けてきた。
デベロッパが開発するアプリはアップルによる審査を経てApp Storeに掲載される。審査過程でガイドラインに順守しない項目が見つかった場合、これを改善するまでデベロッパは作ったアプリを公開できない。一部デベロッパからはガイドラインの記載内容や審査を通らなかった理由が不明確であるとの指摘もあった。
このほどアップルは関連するガイドラインの規定改訂等の提案を公取委に行った。今後Appleが各提案の内容を実施したことが確認されれば、本件審査は終了する。
アップデートは今後世界で展開予定
アップルが「リーダー」と呼ぶアプリケーションサービスは、デジタル化された雑誌や新聞・書籍、または音楽に動画のコンテンツを使用するビュワーを指す。ユーザーがコンテンツを1点ずつオンデマンドで購入したり、または定額課金制によりすべてのアーカイブをiPhoneなど端末にダウンロード、またはストリーミングして楽しめる類いのサービスだ。
具体例を挙げるならばFinancial Timesのニュース配信、KoboやReader等の電子書籍ストアやNetflixやSpotifyのエンターテインメントプラットフォームなどが該当する。
今後、デベロッパはリーダーアプリを活用して、ユーザーを自らのウェブサイトに誘導して、IAP以外の課金システムを使って有料コンテンツへのサインアップを促せるようになる。デベロッパは様々な誘導経路からログインを済ませたユーザーに対して、一元化されたプラットフォームからサービスが提供できることなる。一部デベロッパにとっては、異なるプラットフォームごとにアプリを開発する負担が軽減されるメリットも発生するだろう。