またNASAのサイトは「乗組員の健康を微小重力状態の影響から守ることは、将来の長期にわたる宇宙探査ミッションの成功に欠かせないものだ。この調査は骨量の減少原因である物理的変化について理解を深め、対応策を見出す役に立つかもしれない」と述べた。
かつては軍やNASAが開発したものだったが、現在では民間人用に広く活用されるようになった他の多くの技術と同様、科学者らはこうした実験が地上での骨量の減少に対する重要な治療を見つける役に立つかもしれないと考えている。
また、目の健康に関してはNASAのサイトに次のような記述がある。
「網膜診断調査は、宇宙飛行に関する神経眼症候群(SANS)として知られる視覚障害の進行を記録するため、光を基盤とした小さな機械が宇宙飛行士の網膜画像を捉えられるかどうかを試すものだ」
ドイツ航空宇宙センター(DLR)のユルゲン・ドレシャー博士は次のように述べている。
「SANSは3分の2以上の宇宙飛行士に見られ、微小重力状態に長期間(30日以上)さらされることに関連していると考えられている。SANSにより出現するかもしれない視覚障害は現在、乗務員に眼鏡やコンタクトレンズを配布することによって緩和される。
「火星への数年にわたる任務によりこうした症状が悪化するかもしれず、網膜画像診断のための持ち運び可能な機械が必要とされている。今回の持ち運び可能な技術は宇宙用に開発されたものだが、地球でも遠隔地や極限環境において、より低いコストで診断法を提供できる可能性がある。
「持ち運びできるこのような生物医学的診断機器は、人間によるさらなる宇宙探索を可能にするものとして、また地球での医療の持続可能なモデルとして登場する可能性が高いだろう」
スペースXのような企業が、宇宙旅行を主流化し人類が複数の惑星に住むことは本当に可能かもしれないということを繰り返し示す中で、ここに挙げた研究のような継続的な取り組みは、今後数世代にわたる乗組員の安全と健康を確保する上で非常に重要だ。