メモしておきたい、使えるフレーズ
ここで、実際にどのフレーズが我々の生活で使えるか、見てみよう。番組中で多々使われる「ギャル語」、たとえばパリスが商標を持っている「Slivings(意訳:最高)」などは、さすがにシーンに合わせて使い分けないといけないが、番組の中には日常会話を盛り上げる可能性があるフレーズが詰まっている。
Netflix「Cooking with Paris」より
海外の人とコミュニケーションを取る機会がある人は、参考にしてみてはいかがだろうか。Zoom会議前、全員の入室がそろわない時の、下手をすると気まずい雰囲気になることもあるバッファ時間などに使えそうだ。
第1話:料理を褒める時、述べる時
This is restaurante-worthy
(味や見た目が)レストランみたいなクオリティ
第2話:服装を褒める(褒められた)時
A:You look good
似合ってるね、綺麗だね
B:So do you.
あなたも!
(※ほかにもLove your outfit などがある)
第3話:調理中
Let’s smash them
(具材やミンチなどを)すりつぶしましょう
第5話:何かの仕上げをする時
We need to make it cuter
(デコレーションなど見栄えを気にして)もう少し素敵に仕上げましょう
第6話:家を訪れた時
You are very organized
(キッチンや部屋を見て)綺麗にしてますね。きちんとしていますね
「雛形」を仕込んでストレス回避の後は、「自分らしく」も
筆者が海外で生活していた頃、表現がうまい外国人のようなチャーミングな受け答えや、相槌のタイミングなど、今ひとつ自然でないことにストレスを感じていたことは、冒頭に書いた通りだ。
だからこそ、そんな彼らの会話をよく聞いてメモしたり真似したりし、キャッチボールに最適な「定番フレーズ」を仕込むこともできた。ここまで話してきた通り、そんな「雛形」を見つけることはとても重要だと今でも思っている。
だが、別の見方として、一つ気づいたこともある。ここまで話してきたことと相反するかもしれないが、文化の違いを象徴する会話の仕方や話題は、外国人にとっては全く気にならず、むしろ新鮮で喜ぶ人もいる。会話や表現もアイデンティティの一つであるため、「かならずしも常には」アメリカやイギリスで使われている英語を意識しなくてもいいのだ。
表現は多少一般的でなくても、意味が伝わるように思いを伝えることが最も大切であると4カ国で多種多様な人種と会話を重ね、実感した。最初は、赤ちゃんがお母さんを真似するようにネイティブの真似をして、「雛形」をインプットする。でも、その後は、自分のルーツをシェアすることや、自分の物語を伝える努力もしていくべきではないだろうか、と。
今回紹介した「パリスとお料理」を通して、一人でも多くのビジネスパーソンが海外で挑戦し、海外の人との会話を楽しみ、良い縁を維持、発展できることを願う。
連載:Z世代が深掘り「トレンドxビジネスの世界」
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