実はビジネス基礎英語のベスト教材? パリス・ヒルトンの「派手すぎる」料理番組

「パリスとお料理(Cooking with Paris)」 Netflix公式サイトより


では、なぜそんな日常からかけ離れた番組「パリスとお料理」が、たとえば海外駐在前の最適な英語教材になり得るのか。

一つは、生活で欠かせない「食」にまつわる英語を学べるからである。これまで、海外旅行や短期留学などでスーパーに行くと、買いたい商品があるものの、英語での呼び方がわからないということを経験したことはないだろうか。

「パリスとお料理」は毎回パリスが家でゲストと一緒に料理をする。買い出し、下準備、調理、雑談など、食卓につくまでの全ての過程が見られる。その過程で得られる「生活上欠かせない英語」は数え切れない。冒頭の、パリスが優雅にスーパーで食材を買うシーンでも、海外のスーパーを疑似体験している気分になる。

番組では、料理中にお嬢様育ちのパリスが「泡立て器(Whisk)」のことをわからず、彼女が混乱するシーンもある。簡単な野菜や調理具だけでなく、海外ならではの多様な調味料や食材をパリスと一緒に覚えられるのだ。

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Netflix「Cooking with Paris」より

ビジネスシーンでも応用可? パリスの下世話バナシ


料理の途中で、パリスが繰り広げるゲストとの、時として下世話な世間話も見逃せない。アメリカのトレンドや最先端の話題まで、アメリカの「今」を考察できるのが特徴だ。

中でも、パリスたちの会話の「リアクション」に注目いただきたい。納得、共感、驚きなど、パリスが友人たちと話す時のテンポや相槌の打ち方、友人たちの反応、そして料理を食べた後の感想はどれもビジネスでの社交シーンで使える。筆者が留学を始めてしばらく経った頃、相手のことを褒めたり、嬉しさを伝えるたりするような短い文がとっさに出てこず、歯痒い日々を送ったのを記憶している。

ビジネスディナーで取引先とレストランに行った時。上司の家でホームパーティーをして、会話中に相手に料理が美味しいと伝えたい時。何気ない会話や笑いを生む小さなリアクションは、身につけておきたいところだ。以下は簡単なリアクションではあるが、番組内で頻繁に使われている。

Oh, right
ああ、そうね!

Oh, god
あらあら。

Interesting
(興味深いという意味を含んで)なるほど

また、パリスの世間話は「会話選び」の参考にもなる。筆者の場合、海外の人と食卓を囲むのも、初めの数カ月は苦痛だった。何について話せばいいかわからなかったからだ。

パリスは番組で、ゲストの故郷を話題にし、自身も仕事で訪れたことがあると会話を広げたり、自らの近況である結婚やパートナーとの将来について話したりしている。

アメリカに住む大人たちの食事中のカジュアルな会話は、ビジネスのオフシーンで「楽しい会話」を生むためにもある程度参考にできそうだ。
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文=裵麗善/Ryoseon Bae

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