2021年の報告書は、新型コロナウイルス感染症の流行が高級品の消費にもたらす影響により、これまでの報告書とは異なっている。
同社のラティ・サヒ・レベック社長は、「高級品のリセールは記録的な成長を遂げ、ザ・リアルリアルには過去1年で新たに約600万人の会員が加わった」と述べ、「新型コロナウイルス感染症に関する規制の変化や経済活動の再開が消費行動に大きな影響を与えている。情報通の買い物客は高級品投資に強い関心を示していて、Z世代とミレニアル世代の間で最も劇的な成長を遂げている」と説明した。
ザ・リアルリアルはコロナが流行する中、循環型経済の中で売り買いする人が増えたと指摘している。サステナビリティが原動力となり、多くの消費者が高級品のリセールを通し、より意識的な消費を実践しているのだ。
同社によると、2021年第1四半期に新たにザ・リアルリアルで委託販売を行なった人の45%が初めて委託販売を体験していた。また、購入者の29%は過去1年の間に初めて中古の高級品を購入していた。また、購入者の43%はザ・リアルリアルでの購入を決めた理由としてサステナビリティを挙げている。
ブランドの動きにも変化
ザ・リアルリアルの今回の報告書の中で特に顕著な情報に、同社で人気のブランドランキングがある。
ブランドランキングでは、過去1年間でいくつか順位の変動があった。グッチはシャネルに対するリードを前年比で24%広げ、プラダはシャネルとの差をさらに20%縮めた。ディオールがエルメスを抜いて初めて上位5ブランドに入り、エルメスはトップ5入りを逃している。ディオールのヴィンテージ分野での前年と比べた成長率は747%だ。
2020年と比べた過去1年の需要で見ると、首位はルイ・ヴィトンで、その後にはグッチやシャネル、プラダ、ディオールが続いた。グッチは今年、最も広く購入・販売されたブランドで、購入と委託販売はそれぞれ62%と61%増えている。
高級品のリセールで最も大きな支配力を持っていたのはミレニアル世代だが、グッチの購入と委託販売の両方で最も多かった世代はX世代だった。グッチの忠実なファンは同社の商品を複数用いて、統一されたファッションを作り上げている。