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(C)Gatik

シリコンバレーで自動運転サービスを開発するスタートアップ企業「ガティック(Gatik)」が、コーク・インダストリーズの投資部門の主導で8500万ドルを調達し、事業を拡大しようとしている。同社は、自動運転のトラックが中距離の固定ルートを走行する物流サービスを展開中だ。

カリフォルニア州パロアルトに本社を置くガティックは、すでにウォルマートやカナダのスーパーマーケットのLoblaw向けに自動運転トラックによる輸送サービスを提供して収益をあげており、今後はテキサス州でもサービスを開始するという。

今回のシリーズBラウンドにより、2017年創業のガティックの累計調達額は1億1450万ドル(約126億円)に達した。同社の共同創業者でCEOのGautam Narangは、「新たな調達資金で、事業を次のステップに進めていく」と述べている。

自動運転車両を用いたトラック輸送や配送サービスは、ロボットタクシーよりも実用化のハードルが低く、今後の数年間でより多くの収益をあげられると考えられている。

ガティックは、長距離を走る大型の自動運転トラックの開発に注力するTuSimpleや、小型の配送ロボットで知られるNuroなどの競合他社とは異なり、変化の少ない反復的な中距離の固定ルートで企業向けの配送を行う車両に特化している。

今回の資金調達により、「少なくとも2年半から3年分の運転資金を手に入れた」と、ガティックのNarangは述べている。同社は潜在的なパートナー企業から、SPAC(特別買収目的会社)との合併による株式公開を打診されているが、すぐに実行に移す予定はないという。

コーク社の投資部門である「コーク・ディスラプティブ・テクノロジーズ」が主導した今回の調達ラウンドには、既存出資元のInnovation EndeavoursやWittington Ventures、FM Capital、Dynamo Ventures、Trucks VC and Intact Venturesなどが参加した。

コーク・ディスラプティブ社のチェイス・コーク社長は、「ガティックの革新的な自動運転技術とワールドクラスのチームは、今日のサプライチェーンが直面している最も重要な問題に対処することで、B2B短距離物流のスタンダードを作ろうとしている。ガティックは、北米の中型トラック市場において、自動運転技術を大規模に商業化する最初の企業になると確信している」と述べている。

ガティックは、トラックメーカーのいすゞと協力して、2023年までに自動運転の商用配送車のラインアップを立ち上げる予定で、現在20台の車両を年内に約100台まで拡大する計画だ。同社は昨年、技術的に大きな進歩を遂げ、現在ではアーカンソー州で、人間のセーフティードライバーが同乗しない完全な自動運転モードで、複数のトラックを運行している。

「1回だけのデモやテスト走行ではなく、当社は公道で繰り返し自動運転車両を走らせており、今後は規模を拡大していく」とNarangは述べている。

ガティックは、フォーブスがAI(人工知能)分野の有力企業50社を選出する「Forbes AI 50」の 2021年版にも選出されている。

編集=上田裕資

資金調達自動運転

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