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2021.09.05 11:00

ベルリン発のEバイクのサブスク「Dance」が描くモビリティ革命

(C)Dance

ドイツの音楽プラットフォームSoundCloudの創業者らが立ち上げた、Eバイク(電動自転車)のサブスクリプションサービス「ダンス(Dance)」が、ベルリンで本格的に始動した。

英国の女優メイジー・ウィリアムズやラッパーのチャンス・ザ・ラッパーらの出資を受けるダンスは、パンデミックの中で勢いを増したマイクロモビリティのトレンドに飛び乗ろうとしている。

ダンスは、修理やメンテナンスとともにEバイクを提供するサブスクリプション型のサービスであり、その事業モデルは、約4000ドルのEバイクの販売とシェアリングの中間に位置づけられるものだと同社は述べている。

「これまでSoundCloudを運営してきた我々は、サブスクリプションサービスについて多くの知見を蓄えており、Eバイクの利用を促進したいと考えている」と、ダンスのCEOでSoundCloudの創業者のエリック・ウォールフォース(Eric Wahlforss)は述べている。

ウォールフォースは、SoundCloudの共同創業者のAlexander Ljungと、ウェブ制作支援ツールのJimdoの共同創業者のChristian Springubとともに約1年前にダンスを立ち上げた。

彼らは、ハードウェアとソフトウェアのテストに1年を費やした後、最高速度が時速25km程度で、1回の充電で最大55kmの距離を走行できる独自のEバイクを開発した。


ダンスのチームは約1年前から、数百人の顧客と試験プログラムを進め、パートナー企業から提供された複数の車両をテストし、独自のモデルを開発したという。彼らはまず、地元のベルリンで月額70ユーロでサービスを開始し、その後の拡大を検討するという。

「世間の人々は、サブスクリプションでできることを過小評価しがちだが、ダンスは単なる月額課金のサービスではない。私はSoundCloudでの経験から、価格設定やプラン、パートナーシップ、付加価値など、このビジネスモデルの可能性を追求していきたい」と、ウォールフォースは述べている。

彼は、次にどの都市でダンスを展開するかを明らかにしてないが、Eバイクのようなハードウェア製品を大規模に展開するには、多額の資金が必要だ。

ダンスは昨年、HV Capital(旧HV Holzbrink Venture)が主導するシリーズAラウンドで1500万ユーロ(約20億円)を調達した後、今年に入り、メイジー・ウィリアムズやチャンス・ザ・ラッパー、ウィル・アイ・アムなどの著名なエンジェル投資家から、金額非公開の出資を受けている。

「ダンスが適切な規模に拡大し、社会に十分なインパクトを与えるためには、かなりの資金が必要になる。ハードウェアやソフトウェアを構築し、それを世界中に展開するために、時間の経過とともにより多くの資金が必要になりそうだ」と、ウォールフォースは語った。

編集=上田裕資

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