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米国の最高裁判所は8月26日、パンデミックを受けて延長されていた、家賃滞納者に対する立ち退き猶予措置を中止する判決を下した。ゴールドマン・サックスのエコノミストは、この政策変更により、今年後半に米国の約75万世帯が立ち退きを迫られ、200万人もの人々が住む場所を無くす可能性があると予測している。

ゴールドマンの調査レポートによると、米国の約300万世帯が現在、合計で120億ドルから170億ドル(約1兆8700億円)の家賃を滞納しているが、労働市場の改善と連邦政府の支援によって、今後数週間のうちに滞納額は縮小する見通しという。

しかし、住宅市場や賃貸市場が好調であることから、多くの家主は滞納者と交渉をしたり、連邦政府の支援を待つことをしないだろうとゴールドマンは述べている。さらに、パンデミックで最も被害を受けた都市の多くは、堅調な経済回復を遂げていることから、立ち退きが顕著になる可能性があるとしている。

猶予措置が10月3日に終了するため、ゴールドマンは、秋から冬にかけて75万世帯が立ち退きを迫られるリスクにさらされると予測している。

連邦議会は、パンデミックの中での立ち退きを防ぐために465億ドルの支出を承認したが、これまで借家人に分配された額は250億ドル程度で、7月の分配額はわずか17億ドルにとどまっていた。

スペンサー・ヒルが率いる経済学者たちは30日のレポートで、「立ち退きの猶予は、ウイルスの拡散を抑え、経済のさらなる悪化を防いだ。今回の立ち退き猶予措置の中止が、消費や雇用に与える影響は小さいが、公衆衛生に与える影響は、より深刻なものになるだろう」と述べている。

連邦最高裁は26日、米疾病対策センター(CDC)には立ち退きを禁止する権限はないとする判決を下し、バイデン政権がパンデミックを受けて実施した立ち退き猶予措置の延長を阻止した。

CDCは、8月初めに発表した猶予措置の更新版で、新型コロナウイルスの感染率が高い地域に住む年収9万9000ドル以下の家賃滞納者に対し、家主が立ち退きを求めることを禁止していた。

ゴールドマン・サックスによると、パンデミックの間は深刻な不況にもかかわらず、全国的な立ち退き猶予措置によって、立ち退きは61%減少していた。

編集=上田裕資

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