コロナ前の売上を超えられるか?
H&Mは、2000年代前半からカール・ラガーフェルドやステラ・マッカートニーなど、世界的なデザイナーとのコラボコレクションを製作してきた先駆者だ。ただ、近年は日本企業のユニクロ(ファーストリテイリンググループ)もそれに追随するように、グローバルかつ大規模なコラボを展開している。
この動きは、H&Mにとっての脅威にならないのか。セイファートは「我々には、デザイン・高クオリティ・低価格・サステナブルを軸に、自分たちのお客さまにサプライズを提供したい、という野望があります。だからこそ、競合の動きは関係なく、今後も野望を実現できるよう真摯に取り組んでいきたい」と述べた。
メディアカンファレンスにて
コロナ禍ではグローバルで大幅減益となり一時は苦境に陥ったH&M。ロックダウンが続いた欧州では多くの店舗を閉鎖したが、北東アジア(日本・韓国)では攻勢で、直近20カ月の閉店はゼロ。セイファートは「新型コロナの情勢にもよるが、ワクチンが普及し感染者数が落ち着けば、日本での需要も少しずつ回復してくるでしょう」と見込む。実際にグローバルの売上は2021年5月末までの半年間で、急激に回復している。
H&Mジャパンは上陸から13年とまだ若いブランド。認知が行き届いていない潜在顧客は多くいると考え、都市部を中心に更なる出店を構想しているという。セイファートは、「世界的に見ても日本はとても重要なマーケット。コロナ前の売上を超えるだけの商機があると思います」と今後に期待している。
今回のコラボは、国内の潜在顧客を取り込み、ファンを増やすためのカンフル剤になるだろうか。