世界中から日本に注目が集まる”オリンピックイヤー”に合わせて発表された本コレクション。コンセプトは、「多様性」と「ジェンダーレス」だ。「自分らしくいられる権利」をコアバリューに置くH&Mと、元来から多様性やジェンダーレスを大切にしてきたTOGAが意気投合し、TOGAの過去ヒット商品に現代的なアレンジを加えた55型を製作した。
ポイントは「高クオリティ」「低価格」「サステナブル」。一部商品で持続可能性に配慮した素材を使用し、H&Mが持つ技術力で高クオリティに仕上げた。それでいて、価格帯は1299円~2万9999円と、すべての人が楽しめるような手の届きやすい価格帯に抑えている。「H&Mでは、”サステナブルな商品は高い”という常識を打ち破り、手に届く価格でご提供できるよう努力しています」と同社代表取締役社長のルーカス・セイファート。
丸いカットアウト部分から脚を出して着ることもでき、露出度が調整できるマーブルワンピース(左、1万9999円)、背面下部のコート生地が切り落とされ、スカーフプリントの生地あしらわれたトレンチコート(右、2万4999円)
本コレクションの特徴は“カットアウト”。丸く穴の空いたスカートや本来あるべき布が切り落とされたコートなど、自分の意志で肌の露出度を決められたり、着る人に“いつもと違う視点”をもたらしたりするデザインだ。「自分らしくいられるように」という想いが込められている。TOGAデザイナーの古田泰子は「私は、誰もが好きな服を着て、好きに生きられる社会をつくりたい。このコレクションを通して、そうしたメッセージを発信していきたいです」と話す。
H&Mも、世界で評価されているTOGAのブランド力に期待する。セイファートは「当社では、信条・人種・ジェンダーに関係なくファッションを楽しんでいただきたいという考えを大切にしています。ただ、この考えはまだまだ発信不足で、消費者に伝わっていません。TOGAとのコラボレーションを通じてこのメッセージを発信し、世界中に一層に広めていきたい」と話す。