Close RECOMMEND

PICK UP

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版




野村秀輝 ビューティガレージ 代表取締役CEO

『経営戦略全史』には、経営戦略論の100 年に及ぶ歴史が網羅されています。私が今回この本を紹介したのは、経営戦略に関する書籍は山ほどあっても、経営戦略の歴史から最新理論まで学べるのは、この一冊だからです。
なぜ、歴史から最新理論まで幅広く学ぶ必要があるのか―。それは私の経験からくる教訓があるからです。

私が広告代理店に勤務していたころ、「SWOTマトリクス」をプレゼンテーション資料としてよく活用していました。これも、経営戦略論のコンセプトのひとつで、企業の強みと弱みを、内部、外部の要因に分けて書き出し、それをかけ合わせることで経営戦略を分析。問題解決のための案を導き出すとされていました。最近でも、7割超の企業が使用しているとか。

しかしながら、その使い方は、本当に正しかったのでしょうか。答えは「ノー」です。本書には「この手法は分析するためのものではなく、現状を整理するだけのツール」と書かれています。思い起こせば、当時の自分も、強み、弱みなどを書き出すだけで満足し、分析できたような気分になっていました。使い方を間違えていたのです。

本書には併せて、1982年にSWOT自体を応用した新しい分析方法が提案されていたことや、SWOT自体を否定した論文が97年に発表されていたことも記載されています。
このように、私たちが知っている経営戦略は、その一部分だったり、誤解されて伝わっていたりするものも多くあります。だからこそ、最新の理論だけを学ぶのではなく、生まれた経緯を知り、本来の意図を理解したうえで、正しく使うことが必要だと感じたのです。その結果、自分がいま、そしてこれから何をすべきなのかがはっきりし、ムダな失敗を避けることができるでしょう。

本書には、ヘンリー・フォードやピーター・ドラッカー、マイケル・ポーターといった世界的に有名な学者をはじめとした、経営戦略論の源流から現在までが物語のように書かれています。そのため、気軽に読み進めることができます。辞典のように使うのもいいでしょう。いまの自分に必要な理論が見つかるはずです。

経営者になったいまも、本から学ぶことが多くあります。ビジネスは日々、決断の連続。しかも、スピード感のある決断を迫られます。そんなとき、背中を押してくれるのは良質なバイブルが与えてくれる「知識」です。知っていれば、迷うことなく決断できることもあるでしょう。
そんなバイブルを見つけだす目次としても本書を活用し、気になった理論をさらに掘り下げ、本物の力にしていただきたいと思います。


経営戦略全史
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2,800円+税/432ページ


◎三谷宏治
K.I.T.虎ノ門大学院教授。早稲田大学ビジネススクール・グロービス経営大学院客員教授。1964年大阪府生まれ。
東京大学理学部物理学科卒業。INSEAD MBA修了。ボストン コンサルティング グループ勤務ののち、アクセンチュア勤務。2003〜06年にはアクセンチュア戦略グループの統括を務めた。著書に『ビジネスモデル全史』など多数。

野村秀輝 = 文 内田まさみ = 構成

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい