見積もりや発注先を自動で算出する独自のアルゴリズムは、そのデータの蓄積により強化されるもの。具体的には、価格のデータや図面のデータ、さらには、実際に加工会社に発注したあとで、どのような品質で納品されたか、その精度の要因や不良品の割合までもが、CADDiには蓄積されている。
コストは数値化され、品質は複数のカテゴリーに分け、それぞれに設けた基準をどれだけ満たすかを点数化している。
特に品質の点数化は、一つのイノベーションと言える。
撮影=小田駿一
「(キャディでよく扱われる)板金はどれも似たような形質に見えるが、細かな違いがたくさんある。しかし、発注側は、加工会社の得意不得意を把握していない。仮に加工会社の不得意な分野に発注をしても、その認識がないため、納品された部品を見て『品質が悪い』と片付けてしまう。ある領域では品質が悪いと評価される会社も、実は別の領域に強い、ということはよくある。それを我々のデータで見極められる」と説明する。
キャディは目下、海外進出に向け動き始めようとしている。供給体制を強化するべくアジアを皮切りにパートナー工場開拓を目指し、遅くとも1年以内に、人材の確保や現地でのマーケティングを開始する事業展開を始めるという。