今年4〜6月の受注高は、前年同期比6倍にまで成長し、それに伴い7月に加工部品の検査・梱包・発送を担う品質管理センターも関東は2.8倍、関西は6.6倍に増床した。
8月24日には、シリーズBで大型の80.3億円の資金調達を行ったことを発表。DST Globalのパートナー陣や、Arena Holdingsら海外勢を含めた6社の新規投資家も加わった。
キャディが変革を起こそうと挑むのが、製造業の「設計→調達→製造→販売」中の「調達」領域だ。発注側には手作業による相見積もりなど非効率な業務が今も残っていたり、受注側には特定の顧客に収益の大半を依存する経営体制があったりといった課題がある。
CADDiは、金属加工部品の受注を一括で請け負うサービスで、発注者から部品の設計データを受け取り、自動見積もりシステムが価格を算出し、最適な加工会社を選定する仕組み。
発注者はコストや手間を削減することができ、キャディのパートナー工場である加工会社も受注元の分散化が実現できる。経営の安定化を図ることができるというわけだ。
「製造業マーケットは、日本でも世界でもあらゆる産業のなかで一番大きいが、調達部門ではデジタル化は進んでない。しかし絶対に誰かがやらなければいけない領域で、数十年後、は明らかに状況は変わっている。誰かが変えるであろう世界に先んじて挑戦していることが投資家の方から評価されているのでは」と加藤は分析する。
生産体制が追いつかず
CADDiを介して受注する加工会社の中には、直近1年で5倍の売り上げを記録する企業や、コロナ禍で3〜4割減となっていた売り上げが元の水準まで戻った会社もある。
最近では、町工場の生産能力が追いつかない事態も起きているという。
「加工会社さんと、生産ボリュームを増やすためにどう効率化するか、キャディでどこまでオペレーションを巻き取るか、工場拡張をすべきかどうかなど、一緒に考えている。約2年前は、加工会社にとっては月数十万の売り上げの足しになる程度の規模だった。状況は大きく変わった」と加藤は話す。
こうした成長を支えるキャディ最大の強みがデータだ。