そう語るのは、なんと14年以上にわたりベゾス、そしてシュミット両者の側近として働いてきた人物、アン・ハイアットだ。
そのハイアットに、シリコンバレーで活躍する、「NFX.com」CEOジェームズ・クーリエ(James Currier)がインタビューした。以下、そのインタビュー記事を翻訳転載で紹介する。
「NFX.com」は、「投資ポートフォリオ」でなく、相互のビジネスに相乗効果をもたらす可能性のあるスタートアップを「組み合わせて」投資するという、ユニークな「ギルド」の発想を採用して成長する投資家集団。そしてクーリエは、4つの企業を興したシリアル起業家でもある。
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成功のタネは、「なぜ」ではなく「誰」にある
アマゾンとグーグルにおけるリーダーシップのフレームワークは、商品そのものやビジネスモデルとはほとんど関係がない。また、「なぜ成功しているのか」に注目するだけでは、両社のリーダーシップの取り組みを理解することはできない。
実は1兆ドル企業のリーダーシップが執拗なまでにこだわっているのは「誰」である。だが、それを理解している人はほとんどいない。
ジェフ・ベゾスもエリック・シュミットも、「誰に提供するのか、そのためには誰が必要か?」という問いをつねに念頭に置いて会社を運営しているのに、だ。
今回は、これまで14年以上にわたり主任補佐、共同経営役員としてベゾス、そしてシュミットのそばで働いてきたアン・ハイアットに、内部から見た両氏について、彼らにまつわるエピソードやリーダーシップ方針とメンタルモデルの分析、パターンを披露してもらう。
(以下のポッドキャストで、アン・ハイアットへのインタビューを視聴可能)
Ann Hiatt on Trillion Dollar Leadership (An Inside Look at Jeff Bezos & Eric Schmidt)
具体的には、以下の点について掘り下げて話を聞いた。
・草創期にして、すでに並外れていた長期的ヴィジョン
・1兆ドル企業の経営チームにおいて、価値観の一致をもたらすフレームワークの3要素
・いかにして未来を創りだす人材を登用し、意欲を引き出すか
・ジェフ・ベゾスとエリック・シュミットの「直属の部下」として働いた経験から学んだ、リーダーシップのメンタルモデル
高校の卒業式のスピーチで「いずれ宇宙に行く」と言ったベゾス
ジェフ・ベゾスは信じられないほど先を見通す力を持っている。高校の卒業式で総代としてスピーチしたときには同級生に向かって「いずれ自分は宇宙に行く」と言ったという。「行きたい」ではなく「行く」と。こうと決めたら、必ず実現する。ベゾスはそういう人だ。