先週、ウーバーは英国最大の労働組合の一つであるGMB(全国都市一般労働組合)と会合を持ち、約7万人のドライバーがGMBに加入するという5月の合意についての協議を行った。この動きは、2月に英国の最高裁が、ウーバーのドライバーが「コントラクター(契約者)ではない」とする画期的な判決を下したことを受けてのものだ。
この判決により、ウーバーのドライバーは「ワーカー(労働者)」に区分されることになった。ワーカーの地位は、従業員(employee)とは異なるが、最低賃金や休日出勤手当、年金拠出などの福利厚生が与えられる。
ウーバーは先週のGMBとの会議の後に、同社の競合の配車サービス企業に対し、最高裁の判決を遵守するよう呼びかけた。
ウーバーの北欧担当ゼネラルマネージャーであるジェイミー・ヘイウッドは、先月のインタビューで、英国の同社の競合企業も、この規則に従わなければならないはずだと述べた。また、ウーバーは英国のドライバーが加入する労働組合について、GMBのみを認めると述べ、他の組合とは協力しないと宣言した。
GMBもこの方針に賛同し、ウーバーのライバル企業もこれに倣ってドライバーにより大きな権利を与えるよう求めている。同組合によると、この動きは英国の約20万人のドライバーに影響を与えることになるという。
Sky Newsの番組で、労働者の権利について批判を浴びているウーバーに協力する理由を尋ねられたGMBの幹部は、「人は変わるものだ」と語った。「世界の大手企業の多くは、創業時には、その業務内容に疑問を持たれていた」と、彼は述べた。
アプリ運転手組合はウーバーを非難
しかし、ウーバーに対する批判をやめない勢力もある。英国のアプリ運転手・配達員労働組合(ADCU)は、ウーバーとGMBの取り組みを非難している。彼らは、ウーバーがドライバーの待機時間に対する報酬を支払っていない点を問題視しており、ドライバーの労働時間の40%が、注文の待ち時間であり、「ウーバーは最高裁の決定を完全に履行していない」と非難した。
「ウーバーは、このような無給労働によって顧客への対応時間を短縮する一方で、都市部の渋滞や環境の悪化を招いている」とADCUは述べた。
ウーバーは、この件に関するコメント要請に応じていない。