ビジネス

2021.09.06

ナスダックの話題をさらったEV「REE」と日野自動車の共創世界

ナスダックSPAC上場で話題となった新興EVメーカー「REE」CEO Daniel Bare。


トヨタグループの商用車専業メーカーである「日野自動車」は、商用およびMaaSソリューションのためにカスタマイズされた「着脱可能なサービスモジュール」を搭載するモジュール式プラットフォーム「Powered by REE」の開発を共に目指しています。

また、マグナインターナショナルは、REEcornerの技術とマグナの車両システム統合および製造に関する専門知識を組み合わせて、完全なモジュール式電気自動車(MEV)を開発していますし、アメリカン・アクスルは、e-Mobilityのためのエキサイティングな新しい電気推進システムを共同開発し、2021年末までに電気駆動ユニットのプロトタイプを提供します。Navyaは、REEcornersとNavyaの自動運転ソリューションを含むレベル4の自律システムの開発を共同で行います。

REEのホームページ
REEのHPでは日野との協業の様子が細かく発信されている。

このように私たちは、パートナーと戦略的なレベルで協力し、広範な議論を重ねることで、お互いの利益が一致していることを確認し、これを通じて非常に強力で安定した永続的な戦略的関係を構築しているのです。

──オープンイノベーション(海外のパートナーとの協業)を成功させるために重要なことは何ですか?

私たちのパートナーシップには、2つの重要な要素があります。

1つ目は、私たちが個別にビジネスを展開するときと、一緒にビジネスを展開するときの「哲学が一致している」ことで、これにはもちろん電動化に対する考え方も含まれています。2つ目は、ビジネスは企業ではなく、人と人との間で行われるものであるという強い信念を持っているため、人間的な要素を重視していることです。

──現在の世界のパートナー関係について教えてください。

日本は自動車分野で常に強い存在感と評価を維持しており、トヨタグループの商用車専業メーカーである日野自動車とのコラボレーションや、三菱商事や武蔵精密工業といった日本を代表する企業とのパートナーシップに非常に期待しています。また、私たちは、日本だけでなく、マグナや、アメリカン·アクスルなど、アメリカの企業との提携も選んでいます。

─日本のパートナーの選び方について教えてください。

私たちは、技術、強み、能力が私たちと一致し、私たちのビジネスモデルの一部であり、ゼロエミッションの電気自動車の採用を通じて、より環境に優しい持続可能な世界の実現にコミットするという共通の目標を持つ企業を選んでいます。

例えば、武蔵精密工業とは共同技術設計・開発契約を締結しており、REEcornerに搭載するモーターと車輪の間の特定の駆動系トランスミッションをREEと武蔵が共同で開発することになっています。日野の場合は、ヨアブ·ラモットCEOと井口優太COOが共同で設立したミリオンステップスを介して2018年に接触したのがきっかけでディスカッションを開始しました。

ミリオンステップスは、日本企業がイスラエルスタートアップと組み、両社の強みを組み合わせて、世界に大きなインパクトを与えるビジネスを創造するコンサルテイングを提供していますが、今回は2019年の東京モーターショーで日野が発表した世界の次世代商用車コンセプト「FlatFormer」における当社とのコラボレーションの実現に加え、2021年4月に発表した当社と日野との業務提携に関して、両社と緊密に連携し交渉のサポートをいただいたことで、「世界に大きなインパクトを与えるビジネス」の実現にむけて一歩を踏み出すことができたと思います。 
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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