脳卒中後の言語障害 「歌」が回復を促進する可能性

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同調査を率いた研究者(博士課程修了)のアレクシ・シヒボネンはヘルシンキ大学への発表で「私たちは初めて、ボーカルがある音楽のプラス効果が言語ネットワークの構造・機能的可塑性に関連していることを示すことができた」と述べた。シヒボネンは「これは、音楽を基盤とした神経学的リハビリテーション法の作用の仕組みに関する理解を広げるものだ」と補足している。

脳卒中から回復中の患者に音楽を聞かせることは非常に簡単で、たとえその効果が小さいものだとしても、言語療法の開始を待つ間に精神的な刺激が得られる環境を病院内に作り出す非常にシンプルな解決策となるかもしれない。

「残念なことに、病院で過ごす多くの時間には刺激がない。こうした時期に音楽を聞くことが実用的な追加のリハビリ法となり、回復を助けて予後が改善する可能性がある」(シヒボネン)

この調査では目的上、コミュニケーションが可能な脳卒中患者のみが対象とされた。そのため非常に深刻な失語症を患っている人にも効果があるかどうかは明確ではない。とはいえ、脳卒中からの回復中に歌を聞くことには害はなく、言語処理を促してくれるかもしれない。

翻訳・編集=出田静

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